Research Abstract |
本研究では,視覚情報と移動ロボットの挙動(観察行動も含む)を規定する行動集合の存在のみを前提条件として,未知環境下で種々の行動を学習する実験を行った.具体例として,前年度実施した単眼視移動ロボットの障害物回避行動,目標物到達行動及びその統合タスクをステレオ視に拡張した.また,脚移動ロボットを対象として,環境との相互作用による学習,多様な内部表現の可能性を探ってきた.以下が本年度の実績及び評価である. 1.ステレオ視に基づく移動ロボットの行動学習 1)実時間画像相関ボードを用いてステレオビジョンシステムを構築した.但し,誤対応を避けるために,粗密法による対応探索を相関に基づいて実現し,ISO-DATAアルゴリズムを用いて,視差,位置,運動情報に基づいて領域分割し,最小記述長原理にもとづいて適正な領域記述を獲得した. 2)得られた領域記述(位置,視差,運動情報)を基に,強化学習による状態空間を構成した.特徴として,陽に障害物を記述する事なく,目標物の見え方による状態空間を構成する事により,タスク分割を行わずに行動(目標物到達,障害物回避)を学習できた. 3)実機で実験を行いその有効性を検証した.ステレオ視による粗密対応,領域分割,MDL原理の適用などで処理時間を要し,現在5サイクル/秒であるが,高速CPUの利用により実時間処理可能と考えられる. 2.脚式移動ロボットによる環境との相互作用の基礎実験 1)4脚式ロボットベース一式を購入し,計算機に接続した.ロボット本体に2台のTVカメラを設置し,現在有線で制御している. 2)視覚サーボの観点から,まず4脚を固定した場合の目標物追跡制御(結果として揺動行動が表れる)を実現した.更に,適応視覚サーボを適用し,動作を確認した. 3)今後,歩容の獲得学習にむけて取り組む予定である.
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