Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Research Abstract |
本研究は,人間の腕とロボット(以下H/R)が共存するシステムにおいて,H/R相互の動作の中から協調という意味に値する行動を発現させることを目的として,平成8年から2年間の計画で発足した.協調行動の実現性は,H/Rが互いに接近あるいは接触した局面において,ロボットが人間の教示意図をどの程度理解できるかに大きく依存しており,もし意図が理解できなければ,協調の意味が薄れて人間は不安全な状況に陥ることになる.そこで,本研究ではまず,ロボットが,人間の「安全性」をいかに確保しつつその「意図性」をどの程度理解できるかを評価するために,H/R相対運動パラメータ空間に「意味空間」を定める提案を行った.すなわち,意味空間は,安全性を定量化する「安全部分空間」と人間の「意図性」を定量的に表現するための「意図部分空間」で構成されるものと考えた. 研究初年度は,H/R間の相対距離・相対速度を規範とする安全部分空間の構築を行い,H/R相互の不安全な干渉を回避するためにこの部分空間のパラメータに基づいてロボットの速度制御を行う戦略を示した.実験では,人間の前腕とロボット第2リンクの動きをモニタし,提案戦略に基づきロボットがH/Rの相対運動により加減速したときに,人間が恐怖心を覚えるか否かを多面的に調べた.その結果,従来,恐怖心を覚えるとして報告されてきた0.6m/sの速度でロボットが定型動作を行っている状況にあっても,自分に当たらないと分かると,やがて被験者は慣れて恐怖感を覚えなくなることが心理実験により判明した.そこで,ロボットが当たる可能性もあるとする状況に被験者が立ったときの恐怖感を覚える最低速度は0.27m/sに減少した.また,予測される衝突部位で恐怖の程度が瞬時的に決定されることなどの傾向が明らかになり,これらを評価できる本システムの有効性が認められた.
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