Project/Area Number |
08236226
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大森 裕 大阪大学, 工学部, 助教授 (50223970)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 有機超格子構造 / 多重量子井戸 / 非線形光学 / 有機分子線蒸着法 / アルミニュウムキノリン錯体 / ジアミン誘導体 / 励起子 / フォトルミネッセンス |
Research Abstract |
分子構造の異なる有機薄膜を積層化した有機超格子構造において、単独の個々の材料には得られない電気的・光学的物性の出現を期待できる。一方、無機半導体では原子層レベルで薄膜形成可能な結晶成長技術が開発され量子効果を用いた高移動度電界効果トランジスター、多重量子井戸レザーをはじめ、優れた特性を持つ電子・光素子が実現されている。 本研究では有機色素分子を用いた超格子構造としてアルミニュウムキノリン錯体(8-hydrox quinoline aluminum:Alq_3)とジアミン誘導体(N,N′-diphenyl-N,N′-(3-methyl phenyl)-1,1′-biphenyl-4,4′-diamine:TPD)を取り上げ、超格子構造薄膜にみられる発光特性の非線形性を中心に検討を行った。 Alq_3/TPD超格子構造の作製は、有機分子線蒸着法により行い、フォトルミネッセンス特性について一周期の膜厚、及び励起光強度をパラメーターとして発光特性の非線形性について検討した。その結果、TPDを励起光としたフォトルミネッセンスにおいてAlq_3/TPDの強度比は膜厚、及び励起光強度に対し非線形関数となって変化することが明らかになった。 Alq_3/TPD超格子構造のPLの非線形性について、得られた結果をまとめると次のようになる。 1)発光強度の膜厚依存性に関しては、一周期の膜厚が薄くなるに従い、Alq_3からの発光は増加し、TPDからの発光が減少する。 2)励起光強度が増加するに従い非線形的に発光強度は増加し、Alq_3/TPDの発光強度の比はある一定の飽和値となる。一周期あたりの膜厚が薄いほどその飽和値は大きい。 3)これらのことは超格子構造における励起子の閉じ込め効果、エネルギー移動によりそれぞれAlq_3、TPDからの発光が非線形的に変化することとして説明できる。
|