Project/Area Number |
08236227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三澤 弘明 徳島大学, 工学部, 教授 (30253230)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 微粒子共振器 / 光カー効果 / 非線形光学材料 / レーザー発振 / 微粒子レーザー / 光電場閉じ込め |
Research Abstract |
ポリシラン等の共役高分子材料が示す光カー効果を利用すれば、光論理素子などの光デバイスを作製することが可能であるが、デバイス化するためには、まだその3次の非線形感受率が2〜3桁不足している。これらの有機非線形光学材料において、大きな非線形光学効果を得るためには分子が感じる実効的な光電場を大きくすることが一つの有効な手法となる。本研究は、ポリシラン等の三次の非線形光学的効果を示す共役高分子をドープした高分子微粒子を用いて微粒子の固有モードによる光電場の閉じ込めによる光電場の増強を行い、大きな3次の非線形光学効果を発現する新しい有機非線形光学材料を開発することを目的としている。 平成8年度はポリメチルシクロヘキシルシラン(PMCHSi)の微粒子化を図り、20μm程度の粒径を持つPMCHSi微粒子の作製に成功した。また、PMCHSi微粒子にロ-ダミンBをドープし、微粒子共振器によるレーザー発振現象を観測し、三次の非線形光学効果について検討を加えた。532nmのポンプレーザー光(fwhm=30ps)を微粒子に照射するとポンプ光強度が0.15J/pulse/cm^2程度から600〜620nm付近に発振ピークが出現した。ポンプ光強度を0.29J/pulse/cm^2まで増大させると発振ピークは短波長側へ約0.6nm程度シフトするが、0.15J/pulse/cm^2に戻すと発振ピークは元の波長に可逆的にシフトすることが確認できた。一方、このような現象は、3次の非線形感受率が低いPMMA微粒子を用いた場合には全く観測することができなかった。これらの現象は、PMCHSi微粒子を微粒子共振器とした場合には光閉じ込めによって3次の非線形光学現象が増強され粒子の屈折率が過渡的に減少したものと考えられる。今後、PMCHSiの610nm付近の非線形感受率を測定し、どの程度実効的な光電場が増強されたかを定量的に測定する予定である。
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