パルサーにおける超高エネルギー粒子の加速メカニズムの研究
Project/Area Number |
08237202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
柴田 晋平 山形大学, 理学部, 助教授 (90187401)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 粒子加速 / 磁気圏 / パルサー / 中性子星 / 電子陽電子対 / プラズマ / MHD加速 |
Research Abstract |
従来電波パルサーとして知られていた高速回転する磁化した中性子星(パルサー)が強いガンマ線源であることが、最近明らかになってきた。パルサー磁気圏では相対論的エネルギー(a few TeV[=10Λ12 eV])に粒子が加速され(電場加速)、電子陽電子対プラズマが生成、再加速され、これが相対論的なプラズマの流れ(パルサー風)を形成する。これらのいく段かの加速プロセスのなかでガンマ線が放射されたと考えられている。しかし、粒子加速や放射機構はまだ十分には解明されていない。 本研究では以下の二つの課題に取り組み、成果を得た。 (1)電場加速プロセス、特に電場の形成メカニズムの研究。 これまで電場の形成機構には大きく二つの学説があった。しかし、それらが単に仮定する電流密度の違うために異なった解の振る舞いを拾っていたことを示した。この研究によって、電場の形成仮定の基礎理論はほぼ完成の域に達したと思われる。電流密度がどのようにして決まるかはグローバル磁気圏の問題であり、今後の課題となった。 加速電場は電子陽電子対が形成するとシールドされる。そのシールドプロセスを計算した。その結果、シールドするために必要な電子陽電子対の密度は今まで予想されていた密度(Goldreich julian density)よりはるかに大きくなければならないことが示された。 (2)パルサーからのTeVガンマ線の放射源としてのパルサー雲の研究。 X線天文衛星あすかによるパルサーの観測を組織的に行なった。その結果、11個のパルサーについてシンクロトロンで光る星雲を見つけた。これは、パルサー風によって励起されたものでありパルサー風の粒子のエネルギーは100TeVにもおよぶことがわかった。パルサー風の加速機構とガンマ線放出についての研究を今後進めて行きたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)