クォーク模型によるS=-2のバリオン間相互作用の研究
Project/Area Number |
08239203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 宜之 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 義和 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70199397)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ストレンジネス-2 / クォーク模型 / Ξ^-p散乱断面積 / Η粒子 / 有効中間子交換ポテンシャル / バリオン間相互作用 / 共鳴群模型 |
Research Abstract |
先年度までに,我々はΝΝ、ΛΝ、ΣΝ相互作用を統一的かつ現実的に記述できる3つの模型を提唱した。その中でも、スカラー中間子9重項の中心力とπ、Κ中間子のテンサー力だけがNijmegen model-Fの中間子パラメータを基礎として導入されているRGM-Fという模型が最も取り扱い上便利であり、本年度のストレンジネス-2を持った系に関しての研究も、このRGM-Fを用いた議論が中心となって展開された。 複雑な非局所積分核のWigner変換を半古典的近似で扱うWKB-RGM法を用いることで得られる有効局所ポテンシャルを、対応するNijmegen斥力芯ポテンシャルと比較検討し、Nijmegenポテンシャルでは見られなかったΞΝポテンシャルの強いアイソスピン依存性が、クォーク模型においてはパウリ原理の効果から期待されることがわかった。 アイソスピン0を持ったΞΝ系において、強い正のスピン・軌道力とテンソル力が存在することで^3P_0状態に共鳴が生じ、それが1チャネル近似の基では低いエネルギー領域でΞ^-p散乱断面積を強める効果を及ぼすことが確認された。更に、ΞΝ系よりも低い敷居値を持つΛΛ系とのチャネル結合を考慮することによってΞ^-p散乱断面積を評価した。アイソスピン1を持ったΞΝポテンシャルがクォーク模型においてはNijmegenポテンシャルとは異なって斥力的で、結果としてΞ^-p→Ξ^-p反応とΞ^-p→Ξ^0n反応の両断面積が似たような結果を与えることがわかった。又、Ξ^-p→ΛΛ反応においては、核力と同じ斥力芯を持ったΞΝ系を仮定した場合のNijmegenポテンシャルがかなり小さな断面積を予言するのに対して、RGM-Fでは弾性反応の半分以上の結果を与えることも確認された。 アイソスピン0の系においてΣΣ系とのチャネル結合の効果も考慮することによって、Η粒子状態のエネルギーについて評価も行い、RGM-FにおいてはΛΛ敷居値から約20MeV程下に束縛状態が存在することが確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)