Project/Area Number |
08240228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田川 精一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 美弥子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10167661)
関 修平 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30273709)
誉田 義英 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40209333)
山本 幸男 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10029902)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | アセチレン / フェニルアセチレン / 放射線 / ポリアセチレン / パルスラジオリシス / ラジカル重合反応 / 低温固相重合反応 / 過渡吸収 |
Research Abstract |
重合反応開始時の誘導期が認められない事や、見かけ上の活性化エネルギーが著しく低い等の特色を有する低温固相重合反応において、トンネル電子移動過程が重要な役割を担っていることが指摘されてきた。本研究では、低温固相重合反応を引き起こすとされるアセチレン及びアセチレン誘導体やジアセチレン分子等の単量体結晶に対し電子・γ線照射を行い、低温下において引き起こされる重合反応の開始過程や成長過程を電子線パルスラジオリシス法により検討した。 本年度はパルスラジオリシス法により低温下での固相重合の反応機構の解明が可能かどうかを調べる事に主眼を置き、測定手法の確立を目的として実験を行った。測定試料はフェニルアセチレンを用い、電子線パルス照射時の試料の温度を298、250、228、150Kに設定したときの各温度におけるフェニルアセチレンの吸収スペクトルの解析を行った。ただし、フェニルアセチレンは298、250Kにおいては液相、228Kでは固液混相、150Kでは固相である。298Kでの過渡吸収スペクトルにおいては、主として300nm〜450nmの短波長領域にピークが見られ、それぞれ数量体の吸収であると帰属された。一方、150Kでの過渡吸収スペクトルにおいては、長波長領域の吸収が著しく増大し、5量体以上の生成物が主として生成している。室温での液相中において、電子線により開始された重合反応は、1分子ずつ成長するラジカル重合反応が、主たる重合反応であると考えられ、分子の成長反応に応じたn量体の吸収がそれぞれの強度比と共に観測された。しかし低温固相においては、5量体以上のオリゴマー〜ポリマーに対応すると考えられる600nm以上の長波長領域の吸収が主導的となり、時間に対してパ-マネントな吸収が見られることから、電子線照射初期において速やかに重合が進行しているとの知見が得られた。
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