Nelsonの量子力学に基づくトンネリング時間の研究
Project/Area Number |
08240232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大場 一郎 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 由也 早稲田大学, 理工学部, 講師
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | Nelsonの量子力学 / 確率過程 / Langevin方程式 / トンネル時間 / 共鳴量子井戸 / 非弾性効果 / 量子飛躍 / 散逸過程 |
Research Abstract |
本研究で用いたNelsonの量子力学は従来のコペンハーゲン的解釈を量子揺らぎを伴う拡散過程で置き換えた。その確立微分方程式は粒子の一つ一つの軌跡の時間発展を与え、その経路のアンサンブルが量子力学的振る舞いを再現する。私たちはこのアンサンブルで、実験室で測定されるトンネル時間を評価することを提案している。 本年度は、(i)Nelsonの量子力学を多チャンネルに拡張し、トンネル時間に現れる非弾性効果を評価することに成功した。従来までのNelsonの量子力学では一つのチャンネルのみを扱い、その中での確率過程であった。ここでは別のチャンネルに量子飛躍する。それを表すために、対応するLangevin方程式に新たな項を導入してNelson量子力学を枠組みを拡張し、この効果を取り入れることに成功した。その結果は大阪とボンベイにおける2つの国際会議、日本物理学会で講演し、Phys.Rev.Aに投稿した本論文は受理され、近々出版の予定である。 また、(ii)熱浴との結合系に関しては、一般的にいえば、Feynman-VernonやCaldeira-Leggettによる方法が知られている。ここで∫(t)を任意の既知正関数として(例えば、e^<2γt>)、作用を S=∫dt[m/2x^・^2+V(x)]∫(t)とおけば、この系は正準形式を満たす。しかも、得られるEuler方程式は散逸型mx^^‥+2mγx^^・+(∂v)/(∂x)=0となる。従って、この枠組みを用いて、散逸系における量子化を正準形式と経路積分法において実行することに成功し、その実効的Schr^^odinger方程式に対応するNelsonの量子力学を定式化、基礎方程式であるLangevin方程式を書き下すことができた。現在、障壁や共鳴量子井戸における通過時間、滞在時間に関するシミュレーションを遂行中である。これらの初歩的な結果は、3月の金沢大学における本重点領域研究の研究会、名城大学における物理学会で発表することになっている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)