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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
金属間化合物でこれまでに報告されている超塑性伸びの最大値は,純金属,合金に比べ1桁も小さい.これは,金属間化合物では,構成異種原子間の強い化学結合のために,結晶粒界の構造が一般の金属,合金のそれとは異なり,結晶粒界での変形の伝播ならびに粒界すべりが困難なためと考えられる.本研究では,少量のTi_3Al相を含む2相TiAlラメラ合金の双結晶(bi-PST結晶)をモデル結晶として作製し,粒界構造と塑性変形挙動の相関を調べることを目的とした.拡散接合法により8通りの方位の組み合わせにつきTiAl bi-PST結晶の作製を試みた.最も良好な接合体が得られる条件は,800℃,24時間真空中で接合後,1350℃,1時間の真空焼鈍を行なうものであった.接合直後でも接合温度が高いほど,また,接合時間が長いほど,接合界面に新しい結晶粒(ラメラ組織を有しないTiAl粒)を生成する傾向が高くなる.拡散結合法により作製したTiAl bi-PST結晶の結晶粒界は,通常の溶製材の粒界で見られるように個々のラメラが互いにロックされた構造を取り,原子尺度でも酸化物などの介在物は全く存在しない.bi-PST結晶の降伏応力は,構成結晶の降伏応力のほぼ中間的な値を取る.接合界面に対し構成結晶が対称的な方位関係を持つ場合,bi-PST結晶に引張伸びは,構成PST結晶のの引張伸びとほぼ同程度の値を示す.しかし,構成結晶のラメラ方位が,接合界面に対し対称的な方位関係からはずれるに従い,bi-PST結晶の引張伸びは,構成結晶の引張伸びよりも低下するようになる.このようなbi-PST結晶の破断は,接合界面,つまり結晶粒界でのクラックの生成に始まっており,粒界での歪の適合性がクラックの生成,すなわち引張伸びに重要な役割を果たしていることがわかった.
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