ナノ組織制御によるセラミックス系超塑性複合材料の開発
Project/Area Number |
08242220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新原 晧一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40005939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
左 容昊 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10283805)
関野 徹 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20226658)
上田 智 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (20029870)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 超塑性変形 / ナノ構造 / ナノコンポジット / ナノ機能制御 / 複合材料 / ゾルゲル法 / 溶液法 / ジルコニア |
Research Abstract |
本研究者らはこれまでに、セラミックスの最小構成単位であると考えられて来た結晶粒自身をナノレベルのセラミックス或いは金属粒子で複合化(ナノ複合化)する研究を続け、この技術によりセラミックスの各種の機会的特性、例えば破壊強度、破壊靱性、クリープ・疲労破壊抵抗などが著しく改善されることを見いだしている。特にセラミックス/金属系では、弱くて柔らかい金属を分散させても、セラミックスが逆に強く、硬くなると言う従来の複合材料では予測できない現象が具現できることも確認している。さらに、組成により非常に高強度で且つ高靱性な材料をナノ複合化で実現し、これが複合体を構成する相が相互にナノ分散した双方向ナノ複合化による結果であることを確認した。加えて、気相法で作成したアモルファス粉末を出発原料に用いることにより、窒素ケイ素/炭化ケイ素ナノ複合材料でナノ/ナノ型組織を実現し、超塑性が発現することを初めて確認した。本研究では即ち、今までの研究成果を基礎にして、マトリックス、第2分散相ともにナノサイズのセラミックス/セラミックスやセラミックス/金属系のナノ複合材料を開発するための最適な製造プロセスの候補として、溶液化学的手法(ゾルゲル法、共沈法)による出発原料粉末の合成を行い、それらのミクロ及びナノ構造を高分解能電子顕微鏡等で観察すると共に、製造したナノ複合材料の強度・靱性等の基礎的機械的性質を高温まで評価し、各組成での微細組織との相関をより明確に把握することを目的とし、まず、アルミナ添加ジルコニア系ナノ複合材料を作製し評価を行ったので報告する。 得られたジルコニア及びアルミナ添加ジルコニア混合粉末のTEM観察から、数ナノ程度の微細な粒子が、分散されており、市販の粉末と比較するとナノ複合化に有利な粉末組成であると考えられる。また、焼結法としては放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)とホットプレス(Hot Pressing)焼結法を用いたが放電プラズマ焼結法の方がより緻密で微細な焼結体が得られた。このような結果はマトリックスとしてのジルコニアが昇温速度が高いほど、緻密化速度が粒成長速度より高いためであると考えられる。また、アルミナの添加量に伴う密度の低下はアルミナが拡散速度に影響を与えるためである。緻密な焼結体が得られる1300℃以上の焼結温度において各試料を比較すると、ジルコニア単相の場合は100nm以上の組織が得られ、更に、焼結温度が増加すると共に数百nm程度に粒成長が観察された。しかしながら、アルミナ添加ジルコニア材料ではアルミナの添加量に伴い粒成長が著しく抑制され、数十nm程度の組織が得られ、緻密で、さらにナノ/ナノ複合材料の作製に成功した。このようなナノ複合材料は超塑性にも優れた特性を示すものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)