Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Research Abstract |
チタンは本質的に高反応性の金属で、かつ結晶構造の関係で切削性が悪いなど、製造・加工段階でのコストが高くつくために用途の拡大が押さえられている。これらの問題点を一挙に解決する手段として、チタンが有する優れた燒結特性に着目し、Near-Net-Shape成形が可能な粉末冶金法でチタン材料を製造する研究を行なった。そして、焼結特性や合金元素の均質化などの観点から,粉末冶金法に適した合金系としてTi-Cr合金を選定し,うまく合金設計や組織制御を行えば,焼結材料でも超塑性変形が発現することを見出した.なかでも,Ti-4%Cr合金を高温域から水冷して得られるマルテンサイトは組織が極めて微細であり,この組織を有するTi-4%Cr合金を1000K付近の温度域に加熱して変形すれば,変形量にして600%という超塑性現象が発現することがわかった.また,このような超塑性現象が発現する温度域でマルテンサイト組織を有するTi-4%Cr焼結合金を加工すると,複雑な形状に成形できるだけでなく,超塑性的な固相流動によって8vol%程度残存していた気孔が完全に消失して,ほぼ完全に材料を緻密化出来ることも明らかにされた.また,超塑性変形を利用して製造したTi-4%Cr合金は,極めて微細な(α+β)2相組織となっており,室温での機械的性質も現用のチタン材料に匹敵するまでに改善されることが判明した.本研究成果は,マルテンサイト組織が得られる他のチタン合金への適用も可能であり,超塑性変形を利用したチタン材料の加工技術に新たな指針を与えるものである.
|