Project/Area Number |
08242223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
大塚 正久 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20013732)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 超塑性 / 粒界すべり / m値 / アルミニウム / Al-Mg / 粗大粒 / 伸び / くびれ |
Research Abstract |
一般にm≧1/3が超塑性発現のおよその目安と考えられる.金属系材料では結晶粒が微細になるほど粒界すべりが活発化し,これに伴って歪速度感受性指数も増大するので,「結晶粒をできるだけ微細化すること」が超塑性合金開発の基本的な指針となっている.ところで,微細な組織ほど熱力学的に不安定となるため,粗大化を抑える配慮が要求される.よって,結晶粒微細化のための特別な手段を講じなくても超塑性を確保できるclassI型固溶体は,新しいタイプの超塑性材料として,基礎的のみならず工学的に十分検討に値すると思われる.本研究の目的は,(1)粗大等軸結晶粒から成るAI-4.5mass%Cu合金の超塑性特性を精査し,(2)組織観察の結果を加味して変形機構を検討し,(3)粒界すべりの役割を明らかにすること,にある.結果は以下の通り.完全にα単相の803Kでは,真応力一真歪曲線上には降伏の直後に加工軟化はほとんど現れない.このような高温では溶質雰囲気が相対的に小さくなって引きずり抵抗が減少するため,転位は理想的な粘性運動に従わないことが主因と考えられる.実際,m地も0.4とやや大きい.最大伸びは290%である.固溶限直下の773Kでは,各歪速度においてclassI型固溶体に特徴的な加工軟化現象が出現する.m≒0.3となることから,溶質雰囲気の引きずり効果が働いていると思われる.変形が均一に起こるため,変形後の試料表面にすべり帯は認められない.最大伸びは260%である.αとθ(CuA_<12>)の2相が共存する673Kでは,加工軟化は現れず,mも0.1と小さい.伸びも100%に激減する.Al-CuA_<12>系の共晶温度(821K)より高い823Kおよび833Kでは,結晶粒界で局部融解が起因した脆性破壊を生じた.鋳造の際に導入された共晶組織が加工熱処理後も粒界近傍に残存したためと考えられる.引張軸方向に長く伸びた巨大結晶から成るAl-4.5mass%Cu合金で,上とほぼ同じ条件下で500%もの超塑性を示し,m値も約0.4となる.この種の試料では粒界すべりはほとんど期待できないから,この結晶も「classI型アルミニウム固溶体では,粒界すべりによらない変形機構で超塑性が発現し得る」ことを示している.
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Report
(1 results)
Research Products
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