Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
高度に酸素官能基化された多環性ジテルペン類の中には顕著な生理活性を示すものが多数知られている.これらジテルペン類の作用機作の解明は生命科学の上から重要な発見につながると期待されており、効率的な不斉全合成が強く望まれている.制癌剤として実用化が急がれているタキソ-ルがその代表例である.著者は二ヨウ化サマリウムによる還元カップリング反応を用いることで,これらジテルペン類の複雑な縮環系が効率よく構築できると考えた.このタイプの環化反応は環化と同時に酸素官能基が導入できる点,近傍の酸素官能基による立体制御の可能性がある点などから,高度に酸素官能基化された多環性骨格の形成には大変都合がよい.報告者は本年度よりタキソ-ルの合成研究に着手した.タキソ-ルの最も効率的な合成法の一つとして,中央の8員環部分(B環)をピナコール型カップリング反応により環化するルートが考えられる.著者らはグラヤノトキシンの全合成において,このタイプの環化反応で二ヨウ化サマリウムを用いて7員環の閉環した.この際,近傍の水酸基により環化反応が著しく促進,かつ立体制御されることを見出している.そこで,この手法をタキソ-ルの8員環構築に適用することにした.合成がより容易と考えられるオキセタン環部分(D環)を省略した化合物で二ヨウ化サマリウムによるピナコール型カップリングを用いて,B環の閉環を試みることとにした.必要な二つのセグメント(A環部分のC環部分)の簡便な大量合成法を確立,さらに,カップリングを行った.
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