Project/Area Number |
08245204
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 俊一 北海道大学, 薬学部, 教授 (80107391)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北垣 伸治 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20281818)
中村 精一 北海道大学, 薬学部, 助手 (90261320)
中島 誠 北海道大学, 薬学部, 講師 (50207792)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 不斉シクロプロパン化反応 / ロジウム(II)錯体 / 炭素-炭素結合生成反応 / ジアゾ酢酸エステル / N-フタロイルアミノ酸 / 溶媒効果 / カルベン錯体 / 不斉合成 |
Research Abstract |
キラルなロジウム(II)錯体を用いる触媒的不斉炭素-炭素結合生成反応を経る骨格構築研究の一環として、本年度は分子間不斉シクロプロパン化反応を検討した。 ジアゾ酢酸エステルとスチレンとの不斉シクロプロパン化反応について、これまで用いてきたN-フタロイルアミノ酸を組み込んだロジウム(II)カルボキシラート錯体(例えば、Rh_2(S-PTPA)_4)が示す不斉収率は劣悪であった(不斉収率<5%)。この結果は中間に生成すると考えられるロジウム(II)カルベン錯体の反応性が高すぎることに起因すると考え、逆供与によるカルベン炭素の反応性の低下と立体選択性向上をねらいとしてロジウム(II)アミダ-ト錯体に切り替えて検討することにした。我々が設計・合成したロジウム(II)アミダ-ト錯体は、分子内不斉C-H挿入反応におけるエナンチオ選択性発現に不可欠であったフタルイミド基を立体制御因子として組み込んだロジウム(II)ピペリドナート錯体Rh_2(S-PTPI)_4である。本錯体を用いて塩化メチレン中ジアゾ酢酸エステルとスチレンのシクロプロパン化反応を行った結果、予期した通りRh_2(S-PTPA)_4を凌駕するエナンチオ選択性が得られ、特にdーメンチルエステルの場合に、ロジウム(II)錯体触媒を用いた反応としてはこれまで報告された中で最高値である89%の不斉収率を実現した。さらに、2.4-ジメチル-3ペンチルエステルを用いてエナンチオ選択性の改善を目指した結果、カルベン錯体の反応溶媒としては非常識とも考えられるエーテル系溶媒を用いた場合、意外なことに高いエナンチオ選択性が得られ、特にジエチルエーテルを用いた場合には不斉収率98%を実現することができた。現在のところ理由は不明であるが、ジエチルエーテルを用いると、エチル、t-ブチルエステルの場合にも不斉収率の顕著な向上が見られた。さらに、ジエチルエーテルを反応溶媒に設定しジアゾ酢酸2,4-ジメチル-3-ペンチルエステルと各種アルケンとの反応を検討した結果、一置換末端アルケンのみならず、二置換末端アルケンにおいても極めて高いエナンチオ選択性でスチレンの場合同様1S配置を有するシクロプロパン化合物が得られることが分かった。
|