芳香環の面不斉を利用したアトロプ異性体の立体選択的構築
Project/Area Number |
08245245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
植村 元一 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (90047241)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | アレーンクロム錯体 / 面不斉 / アトロプ異性 / クロスカップリング / ピナコールカップリング / 1、2-ジアミン / 1、2-ジオール |
Research Abstract |
(アレーン)クロム錯体とフェニルホウ酸をパラジウム触媒存在下、クロスカップリング反応を行なった生成物のビフェニルモノクロム錯体の軸不斉は、用いたフェニルホウ酸のオルト位の置換基に左右されることを見いだした。即ち、オルト位にホルミル基をもつフェニルホウ酸とのクロスカップリング生成物は、ホルミル基とクロムトリカルボニル基がanti-の立体配置をもつビフェニル体を、他方、アルキル基をもつフェニルホウ酸ではsyn-配置のビフェニル体をそれぞれ立体選択的に合成することができた。更に、syn-配置のビフェニル体は高沸点溶媒中で加熱、還流すると熱力学的に安定なanti-の立体配置をもつビフェニル体に軸の異性化を起こすことを明かにした。従って、単一の面不斉を持つ光学活性(アレーン)クロム錯体より、立体選択的クロスカップリング、続く熱での異性化反応を用いて、アトロプ異性の両エナンチオマーを合成することができた。 この立体選択的クロスカップリングを利用して、顕著な生物活性を示し軸不斉をもつ天然有機化合物の(-)-ステガノンの全合成を達成した。 ベンズアルデヒド及びベンズアニリドのクロム錯体を一電子還元すると、立体選択的なピナコールカップリング反応がおこることを見いだし、本反応を用いて光学活性1、2-ジオール、ジアミンを選択的に得ることに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
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