Project/Area Number |
08245250
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小林 修 東京理科大学, 理学部, 助教授 (50195781)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
|
Keywords | スフィンゴ脂質 / 1,2-ジオール / 不斉アルドール反応 / sphingofungin B / 脂質 / アミノ酸 / 不斉合成 / CLAC Synthesis |
Research Abstract |
生体内の膜脂質の約1割を占めているスフィンゴ脂質は、細胞間相互作用、分化誘導、腫瘍化、細胞接着などの現象に深く関与していることが明らかにされてきている。筆者らは有機合成化学からのアプローチとして複数の不斉中心に着目し、これら不斉中心の効率的な構築法の開発とそれを用いるスフィンゴ脂質およびその立体異性体の化学合成、さらにはこれを基盤にスフィンゴ脂質の生体内での機能解明、新しい機能を有する人工スフィンゴ脂質関連化合物の創製への寄与などを目的として研究を行ってきた。まず、スフィンゴ脂質に含まれる光学活性1,2-ジオールユニットの合成法として、α-アルコキシ酢酸誘導体由来のシリルエノールエーテルとアルデヒドとの不斉アルドール反応を用い、新しい炭素-炭素結合を構築しながら一挙に光学活性1,2-ジオールユニットを合成する手法の開発を行った。これらの方法によれば、同一の出発原料からキラルなルイス酸を修飾することによってすべてのジアステレオマ-、エナンチオマーを自在に得ることができる(「Chiral Lewis Acid-Controlled Synthesis (CLAC Synthesis)」)。 一方筆者らは、5つの不斉炭素を有するポリヒドロキシアミノ酸であるsphingofungin Bを標的化合物として、その不斉合成を行った。鍵段階は上記の「CLAC Synthesis」に基づく不斉アルドール反応であり、これによって3つの不斉炭素の立体化学を制御し、さらにジアステレオ選択的な反応により残りの2つの不斉炭素を構築した。本合成法によれば、5つの不斉炭素に由来するすべての立体異性体の効率的合成が可能であると考えられる。さらに本手法はsphingofungin B以外のsphingofungin類合成への適用も可能であると考えられ、現在検討を続けている。
|