Project/Area Number |
08246209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤田 誠 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (90209065)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 自己集合 / 自己組織化 / 分子認識 / カテナン / ナノテクノロジー |
Research Abstract |
本研究は、遷移金属の配位場における分子集合に着目し、配位性有機分子の遷移金属への配位を駆動力として、ナノ構造を熱力学平衡の結果として自発的に集合(自己集合)させ構築すること、さらにはその特異な構造に基づいて、新しい機能を発現させることを目的として行っている。以下に平成8年度の成果を要約する。 1.キラルな自己集合性カテナン 錯体(en)Pd(NO_3)_2と配位子PyCH_2C_6H_4CH_2Pyの反応では環状構造が2分子でインターロックしたカテナンが自己集合する。配位子PyCH_2C_6H_4Pyを用いても、安定な[2]カテナンが定量的に自己集合した。相当する単環との平衡は低濃度でも観測されず、カテナン構造が熱力学的に極めて安定であることが示された。内側配位子のフェニレン水素の2つは、他方の環からの遮へいにより、NMRスペクトルにおいて3.8ppm付近に観測された。配位子の構造が非対称であるため、カテナン構造にはトポロジカル不斉と呼ばれる不斉が生じる。この不斉に起因してカテナンの内側フェニレン基の4つの水素は、NMRですべて非等価に観測された。このカテナン構造は、結晶構造解析により決定した。 2.ナノスケール空孔を持つ三次元六核錯体 ナノメートルスケール構造の精密制御は、分子工学の基盤技術として注目を集めている。錯体(en)Pd(NO_3)_2と三座配位子トリピリジルトリアジンを3:2の比で反応させることにより、ナノメートルスケールに到達するアダマンタン型三次元構造の超分子が定量的に自己集合した。溶液中、この超分子は熱力学的に極めて安定であり、錯体と配位子を4:2のモル比で混合しても、3:2の組成で同一の超分子が生成し、過剰量の錯体は系中に未反応で残った。超分子は直径約10 Aの球が内接する三次元空孔を有する。水溶液中、内部空孔に4分子のアダマンタンカルボン酸陰イオン(Ad-COO)を包接することが、NMRで観測された。この包接体は結晶として単離され、X線構造解析により、構造が明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)