ABCトリブロックコポリマーの2段階相転移による新規ナノパターンの創製
Project/Area Number |
08246229
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 博一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60127123)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | ブロック共重合体 / ABCトリブロックコポリマー / ミクロ相分離 / ミクロドメイン構造 / 2段階相転移 / 両親媒性 / 電子顕微鏡 / 小角中性子散乱 |
Research Abstract |
本研究では、3種類の高分子鎖A、BおよびCからなるABCトリブロックコポリマーにおいて、1成分が他の2成分とミクロ相分離したのち、残りの2成分がさらにミクロ相分離するという2段階ミクロ相分離を利用して新しいパターンの創製を試みた。先ず、試料として親水性のpoly(2‐hydroxyethyl methacrylate)(H)、疎水性のpoly(tert‐butyl methacrylate)(T)およびpoly(2‐(perfluorobutyl)ethyl methacrylate)(F)の3成分からなるABCトリブロックコポリマー(分子量約2万、組成比H/T/F≡1/1/1)を用い、結合順の異なる3種類のトリブロックコポリマー、H‐T‐F、H‐F‐T、T‐H‐Fを、methanol/chloroformの重量比1/3および3/1の混合溶媒を用いてキャストして得たフィルムについて電子顕微鏡 (TEM) 観察を行った。その結果平衡構造ではすべての試料について3相4層ラメラが期待されるにも拘わらず、3/1混合溶媒からキャストしたH‐T‐FではH成分がhoney‐comb状のミクロドメインを形成した構造が得られた。その界面は通常のミクロドメイン構造に見られる平均曲率一定 (cmc) の曲面とは異なっており、先ずF成分がシリンダーミクロドメインを形成したのち、残りのT成分とH成分が相分離する2段階のミクロ相分離が起きたと考えられる。 また、DPSアニオンと末端に塩素を導入したPVMEとのカップリング反応によりPVME‐DPSジブロックコポリマーの合成に成功し、これを小角中性子散乱法により確認した。このブロック共重合体も両親媒性であるため、これにPIを加えたABCトリブロックコポリマーは、温度変化に加え、湿度の変化によっても2段階目のミクロ相分離を制御できるため、今後の研究の発展が期待できる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)