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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究では,縮合系のポリマーとして主鎖にジスルフィド結合を有するポリアミドを合成し,その金基板上などへの吸着挙動について,吸着時間による吸着量変化,ポリマーの化学構造と吸着で形成される構造との関連などについて検討し,金基板上に構造体を調製するための基礎的な知見を得た.基板に吸着したポリアミドにさらにフェロセン誘導体を吸着させ,その酸化還元応答について検討することにより,その吸着量を求めたほか,フェロセン誘導体の吸着状態についても併せて検討した.用いたポリマーは,ジスルフィド結合を含むジカルボン酸を酸塩化物とした後,これと種々のアルキル鎖長を有するジアミンとの界面重縮合により得た.基板上へのポリマーの修飾は,ポリマー/トリフルオロ酢酸あるいはギ酸溶液に基板を所定の時間浸漬することにより行った.表面の修飾状況については,AFMにより形態を観察したほか,XPS測定や高感度反射FTIR測定等により検討を加えた.また,ポリアミド修飾電極上に吸着,固定化したフェロセン誘導体の酸化還元挙動について検討を加え,このポリアミド上への酸化還元系の固定化についての基礎的な知見を得た. 種々の測定結果から基板上のポリアミド膜は均一ではなく,より表面にポリアミドのアルキル鎖が偏在していることが示唆された.金基板に対する吸着部位が同一構造であっても,ポリマー中の他の部分を変化させることにより,金表面への修飾状態を変化させることが可能であることが明らかとなった. 次にポリアミド修飾電極上へのフェロセン誘導体の修飾を行い,その電気化学的応答から修飾量や修飾状態について検討を行った.フェロセン誘導体は,ポリアミド中のアミド結合とフェロセン誘導体の官能基間の水素結合によりポリアミド修飾電極に固定化されるものと考えられ,相互作用する官能基やそのフェロセン単位あたりの数によって吸着量が変化することが示された.
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