C_2キラルユニットに基づくらせん構造をもつ光学活性高分子の合成
Project/Area Number |
08246245
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高田 十志和 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40179445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古荘 義雄 大阪府立大学, 工学部, 助手 (00281270)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | キラル高分子 / らせん / CDスペクトル / C_2キラリティー / ビナフチル / アニオン開環重合 / ポリカーボナ-ト / オリゴマー |
Research Abstract |
先に筆者らは、C_2キラルなビナフチル構造をもつ環状炭酸エステルのアニオン開環重合により生成するポリマーがらせん構造を持つことが示唆した。本研究では、上述の研究を進展させる一方、光学活性高分子、特にキラルらせん高分子に関する研究の基礎を築くことを目的として、低分子モデルの合成と詳細な構造解析を行った。(S)-ビナフトールの一つの水酸基をシリル基で保護した後、ビス(4-ニトロフェニル)カーボナ-トと縮合させ、ジシリル2量体を合成した。次に、トリフルオロ酢酸を用いて保護基を一つはずした後、同様にホスゲン3量体を用いて縮合させることによりジシリル4量体、さらに同法によりジシリル8量体を高収率で合成した。ジシリル3量体は単量体及び2量体のモノシリル体をホスゲン3量体を用いて縮合させ合成した。得られた2〜8量体のCDスペクトルをTHFを溶媒として測定した結果、2量体から3量体の間にコットン効果の逆転が観測された。また、その吸収強度は重合度の上昇とともに増大するが、4量体以上で急激に大きな値となった。4、8量体のCDスペクトルのコットン効果は、ポリマーのCDスペクトルのもの及び構造計算によって推測した10量体モデルに対して得られたCDスペクトルの計算結果と一致していた。一方、これらのオリゴマーの簡単な構造計算を行った結果、4、8量体でらせん構造の可能性が示唆された。これらのオリゴマーに対してもそのCDスペクトルを計算した結果、コットン効果の逆転の可能性が示唆された。これらの結果より、4量体程度の重合度でもらせん構造を取りはじめることが示唆された。以上、C_2キラルなどビナフチル構造を主鎖にもつポリ炭酸エステルがらせん構造をとり、原料モノマーのキラリティーに依存してR体からは右巻きの、S体からは左巻きのらせん構造をもつことがわかった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)