配列、分岐構造および末端構造を高度に制御したポリシラン
Project/Area Number |
08246248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
櫻井 英樹 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70025873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三治 敬信 東京理科大学, 総合研究所, 助手 (00287484)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ポリシラン / ポリ(メタクリル酸メチル) / ポリスチレン / ブロック共重合体 / グラフト共重合体 / ソルバトクロミズム / ポリマーコロイド |
Research Abstract |
今年度はマスクしたジシレンのアニオン重合によるポリシランの合成をさらに発展させ、ポリシランと炭素系ビニルモノマーとのブロック共重合体、特にメタクリル酸メチルとのブロック共重合体を合成した。さらにスチレンへのグラフト共重合体も合成し、これら共重合体の興味深い物性について検討した。 ポリシランとポリ(メタクリル酸メチル)とのブロック共重合体は、まずマスクしたジシレンのアニオン重合をさせた後、反応系中にメタクリル酸メチル(MMA)を加えることによって合成することが出来た。なおポリシラン部分は、ジヘキシルシリレンとジメチルシリレンが配列したもの、またヘキシルメチルシリレンホモポリマーとした。これは温度変化によってジヘキシルシリレンとジメチルシリレンが高度に置換基配列したポリシランが主鎖のランダムコイル-全トランス構造の転移にもとずく、紫外吸収スペクトルの著しい変化(サーミクロミズム)を示すのに対し、ポリ(ヘキシルメチルシラン)はこのようなサーモクロミズムを示さないからである。これによりポリマーの状態変化を紫外吸収スペクトルで追跡することが出来る。これらブロック共重合体は、トルエン/メタノール混合溶媒中で興味深いソルバトクロミズムを示した。またあるメタノール濃度からコロイドが生成し、その粒径と吸収スペクトルの変化とのあいだで相関が観測された。このようなポリマーコロイドの形成は若干の系で知られているが、ポリマー自体に紫外吸収をもちその自己会合状態が追跡できることは興味深い。 特にジヘキシルシリレンとジメチルシリレンが高度に置換基配列したポリシランとポリ(メタクリル酸メチル)とのブロック共重合体の固体フィルム、コロイド状態および溶液中低温の紫外吸収スペクトルを比較してみると、溶液中低温で全-トランス構造となっている吸収スペクトルと固体フィルムおよびコロイド状態のスペクトルは全く同一であり、ソルバトクロミズムにおける長波長側の吸収は、ポリシランの主鎖が全-トランス構造である固体状態に相当していることがわかった。以上のことより、今回合成したブロック共重合体は混合溶媒中でポリシラン部分が剛直なトランス配置で中心部分で固体状態に近い会合状態をとっているものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)