Project/Area Number |
08247203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
舛本 泰章 筑波大学, 物理学系, 教授 (60111580)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | CuCl / ナノクリスタル / 量子ドット / 励起子 / 励起子分子 / フェムト秒分光 / ピコ秒分光 / 単光子 |
Research Abstract |
CuC1ナノクリスタル中に閉じこめられた励起子・励起子分子のダイナミクスを研究するため、フェムト秒パルスを用いたポンプープローブ測定に加えて、ピコ秒のポンプープローブ測定を行なった。この方法によって観測する対象に応じて最適な時間分解能とスペクトル分解能を選んで実験することができる。量子点の場合、時間変化を追うことに加え、特定の粒径の量子点のみを選択的に励起することが出来、励起子ダイナミクスの粒径に対する依存性が顕著に見られる。 フェムト秒のスペクトルの広い励起光を使った場合には、吸収スペクトル全体が影響を受け、ピークエネルギーが高エネルギーシフトを示すのが見られるだけだが、ピコ秒ポンプープローブ法ではポンプ光のエネルギー位置に幅の狭いスペクトルホールが掘れ、ポンプ光エネルギーに共鳴する特定の粒径の量子点のみが選択的に励起される。励起子状態から励起子分子の基底状態への遷移に伴う誘導吸収、励起エネルギーに対応する最も高いピークのスペクトルホール、その両側にピークとディップの構造が見られた。これらの構造はポンプ光エネルギーの変化に追随するが、ポンプ光エネルギーとの差は一定ではない。バルクのZ_3励起子のエネルギーを基準にとった時に、メインホールの観測されるエネルギー位置は励起エネルギーに対して傾きが1の直線になるが、観測された低エネルギー側の構造は傾きが約0.4の直線に、高エネルギー側の構造は約2.0の直線にのっていることが分かった。この様な傾向から、それぞれの構造の起源として"量子点の閉じ込めの励起状態"と"励起子分子の励起状態"が考えられる。即ち、高エネルギー側のディップは、励起子から励起子の励起状態への遷移に伴う誘導吸収による。量子点では空間的な閉じ込め効果によって励起子が2つゆるく結合した励起子分子の励起状態が考えられるということが理論的に予想されてきたが、それが実験的に確認出来た。この様な解釈は各構造の時間変化のデータとも矛盾しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)