Project/Area Number |
08248213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 大介 新潟大学, 工学部, 助教授 (90169508)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 耐震 / 有開口壁 / 連層壁 / 基礎回転降伏 / 終局強度 |
Research Abstract |
1.はじめに 本研究の目的は、鉄筋コンクリート造建物の終局強度設計指針の目指している崩壊形が指針の考え方により実際に実現されるのかどうかを兵庫県南部地震で被害を受けた鉄筋コンクリート造建物を題材に検討するものである。対象は桁行き方向にせん断破壊を生じた有開口連層耐震壁を有するRC造4階建物で、このせん断破壊の原因を解明することが目的である。実験も行ったが、ここでは地震応答解析の結果を示す。 2.応答解析の概要 本館の建物モデルは、北館の柱モデルを本館の柱壁比で割り増し、壁モデルに並列させて作成した。壁モデルは基礎の引き抜き力を無視した原型モデルの他に、杭を考慮した基礎固定モデルについても行った。動的なせん断力は1階では静解析の結果に学会指針の動的増幅係数ωwiを乗じたレベルを大きく越え、実際のせん断強度に達した結果となった。すなわち、動的な解析では基礎部の鉛直方向慣性力による浮き上がり抵抗機構の影響等で、原型モデルでも被害を再現できることになる。しかしながら、1階の耐震壁のせん断変形の応答をみると、原型モデルでは変形角0.005rad程度であり、実際の被害より小さい。杭の引き抜き抵抗を全部考慮すると、ほぼ被害と対応する。一方、モデルの壁のせん断強度を大きくして壁を破壊させないようにしたモデルの耐震壁に入力されるせん断力をみると、杭が全部有効な場合、耐震壁のせん断破壊を全く許容しないと、現在の強度の1.5倍程度、すなわち、静解析時の2.4倍程度のせん断強度が必要となる。 3.結論 本館の耐震壁は杭が無効で基礎が浮き上がるとしたモデルでもせん断破壊を起こしたが、実際の被害程度は杭が全部有効だとしたモデルで対応した。
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