亜鉛多核錯体による核酸切断分子の構築と人工ヌクレアーゼ設計への応用
Project/Area Number |
08249206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八代 盛夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30192785)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 二核亜鉛錯体 / 三核亜鉛錯体 / 金属酵素 / RNA / 加水分解 / 人工ヌクレアーゼ |
Research Abstract |
核酸を位置特異的に加水分解切断する人工酸素は、遺伝子発現の人工的な制御に新たな手法を提供し、遺伝子工学、バイオテクノロジー、さらには医療において、将来重要な役割を担うものとして期待されている。本研究では核酸骨格のリン酸ジエステル結合を加水分解する触媒を検討し、新しいタイプの高活性金属錯体を見い出した。 最近、我々は、二核Zn^<2+>錯体を用いることにり、2個のZn^<2+>の協同作用によってRNA切断が著しく促進されることを世界で初めて明らかにした。本年度の研究においては、新規な三核Zn^<2+>錯体をデザインし、二核Zn^<2+>錯体の場合よりもさらに高活性となることを明らかにした。三核錯体はさらに、基質の構造および生成物に大きな選択性を持つという二核錯体にはない特徴を示す。 以上の結果は、酵素(PIヌクレアーゼやホスホリパーゼC)において見い出されている三核Zn^<2+>中心が、実際に触媒過程に関与することを初めて示すものである。また、生体内に多く存在し、遊離の状態では活性を持たないZn^<2+>で高い活性を実現したことは、人工酵素の生体適合性の観点から重要な意義がある。さらに、Cd^<2+>の場合も、Zn^<2+>と同様に多核錯体形成によって高活性となることを明らかにした。 以上の成果は、人工ヌクレアーゼの触媒活性中心のデザインおよび天然酵素のメカニズムの解明の双方において極めて有用であり、関連する分野に多大な貢献をするものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)