二核鉄および銅タンパクによる酸素活性化の精密モデル錯体の開発
Project/Area Number |
08249213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 正樹 金沢大学, 理学部, 教授 (20091390)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 二核鉄錯体 / 二核銅酸素錯体 / 二核鉄酸素錯体の結晶構造 / 生物無機化学 / 非ヘム鉄 / 酸素化 / 酸化反応 |
Research Abstract |
二核鉄及び銅酸素(μ-パーオキソ)錯体は,酸素運搬体であるヘムエリトリンやヘモシアニンの機能モデルとして,また酸素化媒体であるメタンモノオキシゲナーゼ(鉄および銅錯体)の酸素活性化機構を理解するうえで重要であり,本研究ではこれら二核金属タンパクの精密モデル錯体の構築を目的とした。今年度は,二核鉄酸素錯体の単離と構造および理性の解明,さらに銅(I)錯体による酸素活性化に重点を置いて研究を行い以下の成果が得られた。 鉄錯体:1)立体的に嵩高いイミダゾリル基を含む二核化配位子(2,6〔bis(3-methy1-4,5-diphenylimidazolylmethyl)aminomethyl〕-4-methylphenolate:Ph-bimp)を用いて,世界ではじめて室温でも可逆的酸素化能を有し,ヘムエリスリンと同等の酸素親和性を持つ二核鉄酸素錯体の合成に成功した。2)さらに酸素化型(〔Fe_2(Ph-bimp)(OBz)(O_2)〕^<2+>)および脱酸素化型錯体(〔Fe_2(Ph-bimp)(OBz)(H_2O)〕^<2+>)の両者の結晶構造を明らかにし,高い酸素親和性および不可逆的酸化に対する安定性は主に配位子の立体効果によるものであることを明らかにした。3)また,配位子の立体効果により酸素親和性を数万倍の範囲で制御可能であることを見い出した。 銅錯体:三脚型四座配位子(tris{(6-methy1-2-pyridyl)methyl}amine:N4Me_3 py)を含む銅(I)錯体(〔Cu(N_4-Me_3py)〕^+)と酸素との反応により,配位子に組み込んだピリジル基の6位のメチル基がカルボキシル基にまで酸化されることを見いだした。この反応はメタンモノオキシゲナーゼのモデル反応として注目される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)