Project/Area Number |
08249235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
牧野 龍 立教大学, 理学部, 教授 (40101026)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / センサー蛋白質 / 電子スピン共鳴 / グアニル酸シクラーゼ / 配位構造 |
Research Abstract |
可溶性グアニル酸シクラーゼの還元型ヘム鉄に一酸化窒素(NO)が結合すると、活性な5配位型NO複合体が生成することはよく知られている。酸化型ヘム鉄にアジド(N_3^-)が結合してもシクラーゼ反応が活性化されることならびにアジド複合体は特異な配位構造を示すことを見いだした。 1)酸化型酵素にN_3^-を添加すると、シクラーゼ反応は約35倍活性化される。2)N_3^-の添加により、酸化型酵素の630nmの高スピン吸収帯の増加と391nmのSoret帯の強度の減少がみられる。この吸収スペクトル変化は77Kにおける測定でも変化せず、スピン平衡ではないことが確認された。3)N_3^-の添加にともない新たに2種類の高スピン型複合体の生成がEPR(電子スピン共鳴)法により確認され、基質であるMg-ATPを添加すると新しい高スピン複合体の割合が増加した。4)6配位型NO複合体のEPRスペクトルの解析から、本酵素の第6配位座におけるヒスチジン残基の配位が強く示唆された。 このように、本酵素のN_3^-複合体は、他のヘムタンパク質には見られない特異な高スピン状態を示す。したがって、N_3^-が酸化型ヘム鉄に結合すると、NOの場合と同様にヘム鉄と内在性ヒスチジン残基との間の結合が切断され5配位型N_3^-複合体が生成すること、ならびにセンサー部位とシクラーゼ部位間の相互作用の存在が確認された。
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