熱ショック転写因子群による分子シャペロンの転写制御機構
Project/Area Number |
08250209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 和宏 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (50127114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 彰 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (60252516)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ストレス応答 / 熱ショック転写因子 / 転写制御 |
Research Abstract |
これまでに既知のHSF1、HSF2以外に新しい第3の因子HSF3を単離し、その役割を調べてきた。その結果、熱ショックストレスにおいてはHSF3がHSF1と相補的に働き、より強いストレスでHSF3が機能することが示唆された。この仮説をHSF3の遺伝子ノックアウトにより検証した。高率的にゲノムDNAの相同組み換えが起こるニワトリBリンパ球DT40細胞株を用いて、HSF3の遺伝子ノックアウトを行った。得られたHSF3欠損株は、正常の生育条件で生育することができた。HSF3欠損株の高温での熱ショック応答を各種熱ショック蛋白質のcDNAをプローベとしてノーザンブロット解析にて調べたところ、すべての熱ショック蛋白質のmRNAの誘導が著しく低下していた。この時、HSF1はDNA結合能を獲得していた。つまりHSF1はHSF3の存在下で強い活性可能を獲得できることが明らかになった。また、比較的低温のストレスでは、HSF1のDNA結合型への変化は全く認められなかった。このことはHSF1が絶対温度を感知しているのではないことを示唆しており、さらに、HSF3の活性化とHSF1の活性化の調節の機構がリンクしていることを示している。最後にHSF3欠損細胞の温熱耐性獲得を調べたところ予想どうり耐性は十分獲得できないことが分かった。このことは、HSF3が細胞のストレス下での生存に必要なことを示唆しており、温熱耐性獲得にストレス応答が必要なことを直接的に示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)