Project/Area Number |
08250213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 洋 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (10211939)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 形態形成 / 転写制御 / HNF3β / Sonic hedgehog / Gli / シグナル伝達 |
Research Abstract |
脊椎動物の体軸パターン形成には、体軸中央のノード・脊索・神経管底板(以下「底板」と略)が誘導シグナルの源として重要な役割をはたしている。私は、これらの構造の形成に、転写因子HNF-3β(Hepatocyte Nuclear Factor-3β)が中心的な役割をはたしていることに注目し、これまでに初代トランスジェニックマウス胚を用いた解析により、HNF-3βのノード・脊索エンハンサーを5′上流に、底板エンハンサー(FPE)を3′下流に見い出した。 FPEの活性に必須な領域の中に、ヒトのzinc finger蛋白質GLI/GLI3の結合配列に類似の配列(3′Gli-BS)が存在した。この配列にはin vitroでGST-GLIが特異的に結合し、さらにエンハンサー内の3′Gli-BS配列にGLIが結合できないような変異を導入すると、in vivoでのFPE活性が失われた。底板でのHNF-3βの発現は、脊索からの誘導シグナル(Sonic hedgehog:Shh)によって誘導されるが、培養細胞を用いて調べると3′Gli-BSはShh応答配列として機能した。また、3′Gli-BSはGLIによって活性化され、GLI3で抑制された。マウスGli,Gli2,Gli3の神経管における発現を調べると、いずれもHNF-3βと一過的な発現の重複が見られるが、主な発現領域はGliは腹側、Gli2は全体、Gli3は背側であった。 本研究の結果は、ShhによるHNF-3β誘導の過程でGliが正の転写因子として関与していることを示唆している。これらの結果とGliファミリーの発現様式とを併せて考えると、一般にGliファミリーはShhシグナルの標的遺伝子の発現制御に関与しており、GliおよびGli3はそれぞれ正および負の転写因子として機能していると考えられる。また、ハエではhedgehog(hh)シグナル経路の最も下位にGLI類似遺伝子のcubitus interruptusがあり、脊椎動物とハエとでhhシグナル経路が保存されていると考えられる。
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