哺乳動物中枢神経系の発生と分化における転写制御因子の生理機能
Project/Area Number |
08250216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中福 雅人 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (80202216)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 神経発生 / 転写因子 / 幹細胞 / ニューロン / グリア |
Research Abstract |
ヒトを含む哺乳動物の脳は、発生過程で生み出される1万種類を越える神経細胞、グリア細胞より構成されている。最近になって、これら多様な脳細胞は多能性神経幹細胞とよばれる共通の前駆細胞より発生すると考えられるようになってきた。しかしながら、この神経幹細胞の分化の分子メカニズムは未だほとんど明らかになっていない。我々は最近、不死化細胞株を用いて神経幹細胞が分化する過程を試験管内で再構成することに成功している。本研究ではこの細胞株を用いて、幹細胞から神経細胞、グリア細胞が発生する際に機能すると考えられる一群の転写制御因子について、その発現制御ならびに機能を解析した。特に本年度は、発生期初期の脳において特異的に発現するヘリックス-ループ-ヘリックス型転写因子Mash-1、およびホメオドメインを有するProx-1に着目した研究をおこなった。その結果、Mash-1は未分化な神経幹細胞が分化の経路にコミットした最も初期の段階で一過的に発現し、さらにこのコミットメントの誘導そのものに重要な役割を果たす遺伝子であることが明らかになった。Mash-1の発現によって幹細胞マーカーであるnestinの発現は消失し、さらにProx-1の発現が誘導されるものの、細胞は未だ多分化能を保持していた。従って、幹細胞からの神経細胞、グリア細胞の分化は、様々な中間過程の細胞を経て起こる現象であり、また特定の遺伝子が一過的に発現することによって各過程が特異的に制御されていることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)