発生工学を基礎とした骨格筋の形成機構とその異常の解析
Project/Area Number |
08252214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
鍋島 陽一 国立精神・神経センター, 神経研究所・遺伝子工学, 部長 (60108024)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | 筋ジストロフィー / ラミニンα2 / 筋発生 / 遺伝子ノックアウト / 基底膜 / 神経細胞の移動 / 筋再生 |
Research Abstract |
マウス129遺伝子ライブラリーよりラミニンα2遺伝子をクローニングし、相同組み換えベクターを作成し、E14細胞に電気穿孔法により導入し、相同組み換え細胞を同定し、ついでノックアウトマウスを分離した。ラミニンα2mRNA,蛋白の発現解析によりホモマウスはnull変異であることを確認した。さらに電顕により筋、及び末梢神経を観察し、ホモマウスでは基底膜が観察されず、ラミニンα2が基底膜の形成に必須であることを確認した。野性型、ヘテロ、ホモはメンデルの法則に従って生まれるが、生後14日ころよりホモマウスの成長が遅れるようになり、21日頃になるとよろめきやけいれん症状を伴う筋ジストロフィーを発症する。なお、ヘテロマウスは野性型と区別がつかない。そこでホモマウスの組織学的解析を筋肉、神経系を中心に行い、次の結果を得た。 生後9日までの筋組織は野性型と変わらないようにみえるが、生後11日には変性筋細胞が認められ、ついで生後13日には中心核をもつ再生筋線維が観察されるようになる。マウスでは、ちょうど、この時期に最終的な成熟がおこり、速筋では親型のミオシン重鎖(MHC)アイソフォームであるMHCIIBへと変換が起こるが、ホモ変異個体ではIIBの発現が観察されず、基底膜の形成が速筋の成熟に重要であることが示された。一方、遅筋線維で発現するβ/slow MHCの発現が認められ、若いマウスの遅筋の成熟は基底膜の形成に影響されないようである。 ホモマウスの中枢神経系がやや小さく、組織学的には小脳の顆粒細胞、プルキニエ細胞の移動に異常があり、野性型では存在しない位置(白質やpia materの外側など)に一部の顆粒細胞、プルキニエ細胞が観察された。また、ホモマウスでは隣り合う小葉間の癒着が認められ、さらに抗ミエリン塩基性蛋白抗体で染まる白質が細いことが確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)