終脳特異的膜表面認識分子テレンセファリンの神経回路形成における役割
Project/Area Number |
08254225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森 憲作 理化学研究所, ニューロン機能研究グループ, グループディレクター (60008563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 伯 理化学研究所, ニューロン機能研究グループ, 研究員 (50281647)
杉野 英彦 理化学研究所, ニューロン機能研究グループ, 研究員 (70270577)
吉原 良浩 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (20220717)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | テレンセファリン / シナプス伝達長期増強 / R4B12分子 / 嗅上皮ゾーン / 嗅球ゾーン |
Research Abstract |
(1)海馬シナプスの可塑性におけるテレンセファリン(TLN)の役割 海馬CA1領域を抗TLN抗体を用いた免疫電顕により調べると、TLNは錐体細胞の樹状突起膜表面に発現し、軸索では発現していなかった。シェ-ファー側枝・錐体細胞シナプスでは、TLNはpostsynapticのスパイン膜に限局していた。TLNに対する抗体、およびリコンビナントTLN蛋白をラット海馬切片のシェ-ファー側枝・錐体細胞シナプス部位に局所的に投与すると、このシナプスでの長期増強(LTP)が顕著に抑制された。この結果により、postsynapticに発現しているTLNと、presynaptic軸索上の未知のカウンタレセプタとの相互作用が、シナプス伝達の長期増強の形成および維持に関与していると考えられる。 (2)嗅上皮から嗅球へのゾーン間特異的軸索投射に関与する新規の細胞接着分子の発見 哺乳類の嗅上皮には4つの匂い分子受容体発現ゾーンが存在する。我々は、嗅上皮のゾーンII、III、IVの嗅細胞で発現し、ゾーンIの嗅細胞では発現しない新規の細胞接着分子(R4B12抗原分子)をみいだした。cDNAクローニングにより、R4B12分子はイムノグロブリンスーパーファミリーに属する膜蛋白であることが判明した。R4B12分子はホモフィリックな結合活性を有することより、R4B12分子を発現した軸索どうしが選択的に軸索束形成をすると考えられる。R4B12は副嗅覚系においてもゾーン特異的発現パターンを示し、嗅覚系の感覚上皮ゾーンから嗅球ゾーンへのゾーン間特異的軸索投射に関与する細胞接着分子だと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)