地域生態系保全のための休耕田の人工湿地としての利用
Project/Area Number |
08255105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
林 良茂 金沢大学, 工学部, 教授 (60019750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 任重 農林水産省, 農業環境技術研究所, 主任研究官
小泉 博 農林水産省, 農業環境技術研究所, 主任研究官
川島 博之 農林水産省, 農業環境技術研究所, 主任研究官 (30161318)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 人工湿地 / 水田 / 休耕田 / 炭素循環 / 窒素循環 / モデル |
Research Abstract |
金沢市における休耕田転換実験湿地でのデータを1994年度より蓄積し、物質動態解析を行った。具体的には人工湿地における植物種及びバイオマスの経時変化(月単位)、土壌中の炭素、窒素量の変化、水流に伴う物質移動量を調べ、マスバランスの解析をし、植物、土壌の役割、及びそれらに影響を及ぼす因子を調査した。 難分解性の硝酸態窒素に関しては94年度からほぼ一定値78%(年平均)を示しており、窒素のバイオマス量は植物の成長とともに内部に因着され、夏季に著しくなり、湿地帯における植物の成長は重要な因子となる。また窒素の土壌への蓄積が確認できるが、さらに微生物による脱窒を促進するため、人工湿地の地下部(土壌部)の改良が必要であろう。即ち本実験場の浸透水量は他の湿地に比べて多いが、さらに浸透流れ方式の採用について検討することも必要であろう。硫酸態硫黄については除去率が94年度17%であったものが96年度約35%と上昇しているが硫酸態硫黄の除去が湿地で確認されたとは言い難い。この点に関してはさらに検討を要する。 一方、リンの除去量に関しては全く成果が得られず、本実験場に自生するセリ、ガマ、ミゾソバ等の植物にはリンを吸収能力がほとんどないといえる。既往の報告にはヨシフィルターによりリンが93%除去されたとの報告があり、リンを吸収する水生植物に関してさらに検討を要する。 以上の結果より今後は好気性菌、嫌気性菌の両者を同時に作用させる人工湿地の改善、ならびにリンの除去能の高い水生植物の育苗ならびに移植について総合的に検討する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)