培養細胞モデル系によるニューロナルアポトーシスの分子機構
Project/Area Number |
08256202
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小池 達郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80128131)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀逸 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90202431)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 神経成長因子 / アポトーシス / ストレス蛋白 / BiP / GRP78 / 上頚神経節 / 顆粒細胞 |
Research Abstract |
神経成長因子(NGF)存在下で交感神経様細胞に分化させたPC12細胞は、NGF除去に伴い細胞死を起こす。この細胞死に伴い、BiP/GRP78遺伝子の発現が増加することを見いだした。BiPは小胞体に存在するHSP70ファミリー蛋白質の1つで、シャペロン蛋白質として働きを持ち、合成された分泌性蛋白質の放出や小胞体-核シグナル伝達に重要な役割を担っている。神経細胞死制御における小胞体の関与を明らかにするために、このストレス蛋白質BiP/GRP78の発現を、中枢、及び末梢の神経初代培養系の細胞死において検討した。神経細胞死に伴うBiP/GRP78mRNAの増加は、ラットの小脳顆粒細胞の培養系でも確かめられた。生後7日のラット小脳から単離した顆粒細胞は、通常のカリウム濃度(5.4mM)下では、培養5日(DIV6)で変性を始め7日(DIV8)にはほぼ死滅する。BiP/GRP78発現増加のピークはDIV6の細胞から得られたRNAに対して確認され、DIV3の細胞の値の1.7〜2.2倍であった。一方、培養上頚神経節(SCG)細胞はNGF除去後、24時間には変性を初め、36時間には細胞体の萎縮・突起の崩壊を起こし、細胞死に至ることがわかっている。この細胞死に伴うBiP/GRP78の発現増加を調べたところ、mRNAレベルでは検出できなかったが、抗BiP抗体を用いた免疫組織化学的手法により、蛋白質レベルでの増加が確認された。細胞質のストレス蛋白質であるHSP70の発現量はmRNAでも蛋白質レベルでも細胞死の過程で変化しなかった。このことは、細胞死において、ストレス蛋白質のなかでBiP/GRP78の発現が、特異的に制御されることを示唆している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)