Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
ニコチン型アセチルコリン受容体の活性化が,虚血中枢ニューロンの保護作用を示すかどうかを検定する目的で以下の実験を行った。 (実験1)ニコチン型アセチルコリン受容体α7サブユニットに対する作動物質GTS-21(5〜10mg/kg)をスナネズミの5分間一過性前脳虚血モデルにおいて虚血負荷前30分に腹腔内投与を行った。虚血再灌流後7日目に深麻酔下に動物を屠殺,海馬の組織検定を行ったところ,CA1ニューロン数が(正常値116±2.7,虚血群10±3.7に対し)GTS-21投与虚血群では,67±18(10mg/kg),9±1.5(5mg/kg)であった。GTS-21による用量依存的なニューロンの虚血障害防禦作用が示された。この実験条件での脳温の変動は,虚血負荷後4〜5時間にわたり1〜2℃であり,上記保護効果には低脳温によるものが含まれていることもうかがわせた。 (実験2)スナネズミ海馬CA1領域にマイクロダイアリシスプローブを装着し,上記虚血条件下での細胞外グルタミン酸濃度の推移を分析した。虚血5分値のグルタミン酸レベルは,虚血前値の約18倍であり,GTS-21投与はそのレベルに何らの影響を与えないもののようであった。 (実験3)スナネズミ海馬のスライスを作製し,あらかじめCa^<2+>蛍光色素rhod-2を取り込ませて,無酸素・無グルコースの人工虚血灌流に切り替えると,海馬CA1領域に選択的なCa^<2+>動員が誘発された。GTS-21 50μM存在下では,Ca^<2+>動員の潜時の有意の延長(270秒より319秒へ)とratio値の低下がみられた。これらの事実から,アセチルコリン受容体の活性化には,Ca^<2+>動員抑制による虚血障害防禦作用があることが明らかとなった。
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