Project/Area Number |
08256238
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
鈴木 岳之 共立薬科大学, 薬学部, 助教授 (90187740)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | アセチルコリン(ACh) / コリンアセチル転移酵素(ChAT) / グルタミン酸 / レチノイン酸 / 中隔野神経 / 運動神経 / non-NMDA受容体 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
本研究課題に関して以下の二つの細胞系を用いて検討を行った。 (1)ラット胎仔中隔野初代培養神経細胞 胎生17日齢ラットの中隔野部位の初代培養を行った。培養最終72時間は無血清培地で培養し、遊離アセチルコリン(ACh)を測定した。ACh合成酵素であるChATは培養4日目から上昇をみせ、一方ACh遊離はそれより遅れて生じた。このACh遊離はテトロドトキシン感受性で、また、ω-コノトキシンにより阻害され、さらに開口放出の過程を介している可能性があることからシナプス伝達を機能的遊離であるといえる。このACh遊離はnon-NMDA受容体阻害薬CNQXにより阻害された。以上より、この培養系においてnon-NMDA受容体を介した興奮性神経回路が形成されていることが示された。この系は中枢における生理的神経伝達を解析するモデルとなりうると考えられる。 (2)マウス脊髄運動神経由来細胞株NSC34および中隔野神経細胞由来細胞株SN49 NSC34は10%FBS入りDMEMで培養後、各種薬物含有DMEMで培養を行った。FBS除去により細胞増殖性は低下し、神経様の形態変化が生じた。血清除去後、48時間程度は細胞数に大きな変化はみられない。インスリン-トランスフェリン-亜セレン酸添加により血清除去後48時間は細胞増殖がみられることからこの細胞にインスリン(様)受容体の存在が示唆された。一方、レチノイン酸はNSC34のChAT活性を上昇させることはなかった。特に血清除去下でレチノイン酸はNSC34の細胞死を増強する傾向を示した。これがどのようなタイプの細胞死を誘発しているかに関しては現在検討中である。一方、SN49においてはレチノイン酸は細胞死を誘発せず、ChAT活性の顕著な上昇をもたらした。このことから細胞分化の状態によりレチノイン酸の作用は分化誘導あるいは細胞死に振り分けられる可能性がある。
|