Project/Area Number |
08258201
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
遠藤 政夫 山形大学, 医学部, 教授 (40004668)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | アンジオテンシンII / エンドセリン / 交感神経α_1受容体 / Ca^<2+>トランジェント / Indo-1 / プロテインキナーゼC / 陽性変力作用 / イオン・チャネル |
Research Abstract |
アンジオテンシンII(AngII)は心筋細胞肥大およびリモデリングを含む心疾患における病態生理学的意義が注目されている。しかし、その細胞内シグナル伝達過程は明らかにされているとは言い難い。ことにAngII受容体刺激の心筋細胞内Ca^<2+>動態に及ぼす影響については相いれない実験結果が報告されている。本研究ではAngII受容体刺激の細胞内Ca^<2+>シグナリングおよびイオンチャネル活性に及ぼす影響を無傷の単離心筋細胞を用いて薬理学的に分析した。AngIIと同様に心筋細胞においてphosphoinositide(PI)代謝促進に共訳されていることが明らかにされている心筋細胞α受容体刺激およびエンドセリン(ET)受容体刺激効果と比較することにより、AngII受容体刺激効果におけるPI代謝促進の意義を検討した。標本としては受容体を介する調節系の分析が進められているウサギ心室筋細胞を用いた。細胞内Ca^<2+>濃度変化測定にはエクオリン負荷多細胞標本およびindo-1負荷単一心筋細胞を用い、細胞内Ca^<2+>濃度と収縮性に対する効果の詳細な再検討が行われた。 AngIIはエクオリンおよびindo-1負荷ウサギ心筋細胞において明確なCa^<2+>トランジェント(CaT)ピーク増高作用を示した。同時にCAT-収縮ピーク関係の左方シフトを起こした。この作用は心筋細胞においてG_<q'>PLCを介してPI代謝促進に共役されているα_1およびエンドセリン(ET)受容体刺激とよい類似性を示した。 一方イオンチャネルレベルにおいては、AngIIはα_1およびET受容体刺激効果とは顕著に異なる作用を発揮した。AngIIは活動電位幅に対して短縮延長の2相性の効果を発揮した。この作用はETの効果と類似したが、α_1受容体刺激は収縮性増加と時間経過の一致した1相性の延長効果のみを示した。α_1受容体刺激はK^+チャネル(IK1)を抑制した作用が、AngIIはIK1に対する抑制効果を示さず、C1^-チャネルに対する活性化効果を惹起した。これらの受容体はPI代謝促進と平行して個々の受容体系に特有の調節系に共役することにより細胞レベルにおける生理学的および病態生理学的な細胞内情報伝達に与っているものと思われる。
|