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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
血圧制御系は,生体の恒常性を保つために重要な役割を果たしている.その中でもレニン・アンジオテンシン系は,この系の最終産物である生理活性ペプチドのアンジオテンシンII(AII)の産生を通して,血管収縮や水・電解質のバランスを制御し血圧調節を行っていると考えられてきた.しかし,複数存在するアンジオテンシン(AT1a型,AT1b型やAT2型)受容体の情報伝達経路と心肥大形成の関連は,全く明らかになっていない.心肥大形成の分子機構を解明するためには,AT受容体のシグナル伝達を明らかにすることが重要である. そこで本研究は,アンジオテンシン情報伝達系の分子メカニズムを明らかにする第一歩として,以下の3点に焦点を絞り込んだ. (1)Yeast Two-Hybrid法を用いて、AT1aとAT2に直接結合し,新規のシグナル伝達に関わる重要な分子をクローニングする. (2)クローニングした分子と既知のシグナル伝達系との関わりを,細胞レベルで明らかにする. (3)遺伝子欠損マウスを作製し,個体レベルでの機能を評価する. 最終的には,得に(1)のプロジェクトにフォーカスした.まず,AT受容体のような7回膜通過型レセプターのシグナル伝達にとって重要な機能ドメインである第3ループ領域を使い,1×10^8のスクリーニングをyeast two-hybrid法で行ったが,結合因子を単離することはできなかった.一方,細胞内ドメインのC-末端領域を用い1×10^8のスクリーニングをした結果,強い結合活性を示す候補遺伝子をクローン化することができた.現在,クローニングした遺伝子の全長の塩基配列を決定中である.今後,生化学的な結合活性を検討する予定である.
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