心筋細胞ATP依存性カリウムチャネルの受容体および機械刺激依存性制御とその異常
Project/Area Number |
08258217
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉智 嘉久 大阪大学, 医学部, 教授 (30142011)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯本 正二郎 大阪大学, 医学部, 助手 (80273671)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | ATP感受性カリウムチャネル / 心臓 / 平滑筋 / クローニング / スルフォニル尿素受容体 / ATP / カリウムチャネルオープナ- / 培養細胞 |
Research Abstract |
ATP感受性カリウムチャネル(K_<ATP>)は虚血時の心筋活動電位の短縮やプレコンデショニングによる虚血障害予防に重要な役割を果している。心臓のK_<ATP>をクローン化して他の種類のK_<ATP>と比較検討をおこない分子レベルでK_<ATP>を解明することを目的として、サブユニットであるBIRとuK_<ATP>をクローン化した。また、心臓からスルフォニル尿素受容体SUR2A,SUR2Bを新たにクローン化した。SUR2Bはdifferential splicingによってSUR2Aと同じ遺伝子から作られると考えられ、C末端の42個のアミノ酸配列はSUR1に似ていた。SUR2A,SUR2B共に培養細胞(HEK)においてBIRもしくはuK_<ATP>とともに共発現させることによってK_<ATP>が出現した。SUR2AとBIRを構成サブユニットとするK_<ATP>は心臓のK_<ATP>チャネルの性質と非常に似ていた。即ち、ATPの阻害効果はMg-ATP complexの阻害効果とほぼ同等であり、一方、カリウムチャネルオープナ-(KCO)の効果ではジアゾキサイドに反応しにくく、ピナシジルはよく効くことなど心筋K_<ATP>に非常に類似していた。SUR2AとBIRによるK_<ATP>はSUR2BとBIRのチャネルに比べニコランジルの効果が約1/10と効きにくいことが判明した。一方、SUR2Bの発現は広く分布しており、uK_<ATP>と共発現させたところ、ATPの阻害効果はMg-ATP complexの阻害効果よりも強いことや、ピナシジルやジアゾキサイドが共によく効く等、血管平滑筋に存在するATP感受性カリウムチャネルに非常に似た性質のチャネルを発現することがわかった。これははじめての血管平滑筋型ATP感受性カリウムチャネルのクローニングである。また、BIRとuK_<ATP>のキメラによる解析から2つの膜貫通領域とそれにはさまれた領域がコンダクタンスの大きさを決定することがわかった。以上のように、K_<ATP>のクローンを培養細胞に発現させてパッチクランプ法で測定することにより客観的にK_<ATP>を評価する系を確立できた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)