心筋細胞間の機能結合形成にいたる分子機構の発現過程にかんする研究
Project/Area Number |
08258220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 洋三郎 九州大学, 医学部, 教授 (90037482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西井 清雅 九州大学, 医学部, 助手 (20264020)
稲井 哲一朗 九州大学, 医学部, 助手 (00264044)
中村 桂一郎 九州大学, 医学部, 助教授 (20172398)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ギャップ結合 / 心筋 / コネキシン / Cx43 / Cx40 / Cx45 / 内皮細胞 / Cx37 |
Research Abstract |
ラット心臓の発達過程におけるギャップ結合構成蛋白の発現パターンを特異抗体とcDNAプロープを用い検討した。 心筋ギャップ結合は介在板の縦走部にあって細胞間の興奮伝達経路となり、コネキシン(Cx)蛋白群のうちCx40、Cx43、Cx45の少なくとも3種類の構成蛋白が存在している。ノーザン法では出生時から成獣期にかけCx43mRNAが増加するのに対し、Cx40およびCx45mRNAは成長につれ逆に発現の減少を認めた。心抽出膜分画のウエスタンブロット分析では出生時に優位なCx40の発現を認め、またCx43は新生仔と成獣との間でリン酸化状態の相違を示唆するバンドの移動がみられた。心凍結切片を用いた蛍光抗体法にて抗Cx43抗体では心発達の経過を通して心房、心室共に強い免疫標識を認めた。抗Cx40抗体では胎生末期から生直後の心室部において心内膜側に強く心外側に弱いgradient状の標識パターンを認めたが、生後1日目にはこの標識は心内膜側のプルキンエ線維に相当する部位に限局し、成獣と同じ分布パターンを示した。心房では生後一週まで強いCx40の標識を認めたが、2週目には消失した。抗Cx45抗体では標識レベルはかなり低いものの、新生仔心室でCx40と似た分布パターンが認められた。また心房では発達過程を通して弱い標識が常に認められた。 内皮細胞にはCx37、Cx40およびCx43が発現し、大動脈・肺動脈ではCx40>Cx37>Cx43、肺静脈・上大静脈ではCx40、下大静脈ではCx37とCx43、心房の内膜内皮ではCx37、左右房室弁の内皮ではCx37>>Cx43という発現パターンが認められた。左右房室弁の内皮ではCx37は心室側、Cx43は心房側に発現する傾向が認められた。以上の結果は、電位依存性などの生理特性の異なるコネキシン分子種群がラット心臓の発達過程において時間的および空間的に異なる発現調節を受けていることを示唆する。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)