心筋細胞の発生分化における核内がん遺伝子産物の役割
Project/Area Number |
08258226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石井 俊輔 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 主任研究員 (00124785)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 心筋細胞 / 細胞増殖 / Myb / Ski / Sno / 転写制御 / コアクティベータ- / シグナル伝達 |
Research Abstract |
Mybは従来未分化造血系細胞の増殖の制御に関与する転写因子と考えられてきた。しかし最近血液系以外の細胞でも発現していることが見出され、mitogen刺激による血管平滑筋細胞の増殖にはMybが機能していることが示されている。私達はMyb過剰発現トランスジェニックマウスでは心筋細胞のサイズが増大し、心肥大の症状を呈することをすでに報告した。しかし、c-myb遺伝子の完全欠損マウスは造血不全のため胎児13日目の段階で致死となり、心筋細胞の発生分化におけるMybの役割を解析できない。そこで、二段階相同組み換えを用いて、MybのDNA結合ドメインやインヒビター結合ドメイン内に点変異を導入した変異マウスの作製を試みた。これらのマウスではMyb活性が野生型の1/10または10倍になり、発展途上で致死とならず、心筋細胞等の増殖制御におけるMybの役割を検討できることが期待される。これまでにヘテロマウスを得ることができ、現在ホモ変異マウスを作製する目処をつけることができた。またMybの転写活性化に必要なコアクティベータ-を解析した結果、CBPがMybのコアクティベータ-として機能することが示された。CBPはCREB以外にもJum,Fos,MyoD,Stat2,核内受容体などのコアクティベータ-として機能することが最近明らかにされた。一連の解析の結果、CBPを取り合うことによりMyb活性がこれらの転写因子により阻害されることが示された。また私達は最近Mybに結合する制御因子をcDNAクローニングにより同定したが、この因子がCBPにも結合することを見い出した。したがって、この因子はMybとCBPの結合を制御することが推定された。一方別の核内がん遺伝子産物Skiおよびその関連遺伝子産物Snoは筋細胞の分化に関与することが培養細胞を用いた研究結果により示唆されている。snoの生理機能を理解するため、sno遺伝子欠損マウスを作製・解析した。sno欠損ホモマウスは胎児9.5〜10.5日目で致死となり、sno遺伝子が発生に必須であることが示された。そして、ヘテロ欠損マウスは正常に生まれるが、体が小さく、そのうち約1/3は生後1週間以内に死亡した。しかし、sno変異マウスでは心臓、骨格筋などの筋組織での異常はまったく認められなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)