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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
無細胞系タンパク質合成系では,コドンとtRNAの対応関係をうまく利用することにより,タンパク質上の特定の位置に(20種のアミノ酸には限らず)任意のアミノ酸を導入することが可能である.この技術を応用することにより,タンパク質の特定残基だけを安定同位体標識することが可能となり,巨大分子の動的な局所構造をNMRを用いて調べたり,固体NMR法により精密な距離測定が可能になるなど,NMRを用いた構造解析に与えるインパクトは大きいと考えられる.ところが,従来のこの技術では,極めて少量(μgオーダー)のタンパク質しか得られず,構造解析にとっては実用的な技術とは言えなかった.そこで,本年度は,我々がこれまでに開発してきた,無細胞大量発現技術とtRNAの大量調製技術を組み合わせ,更に,これまでに得られた無細胞系に関する知見を基に,各種反応条件を検討をおこなった.その結果,位置特異的安定同位体標識タンパク質を,NMR測定に十分な量(mgオーダー)得ることのできる,無細胞発現法を確立することに成功した.次に,この技術を用いて,Rasタンパク質において,標的分子との相互作用を担うエフェクター領域にある32位のチロシン残基のみに,^<15>N標識を導入することを試みた.あらかじめ,^<15>N標識チロシンをチャージさせたアンバーサプレッサーtRNAを,32位に相当するコドンをアンバーコドンに置換した鋳型DNAと共に用いて,無細胞タンパク質合成反応(30mlスケール)をおこない,32位のチロシン残基のみ^<15>N標識されたRasタンパク質を得た(最終収量2.2mg).この試料のHSQCスペクトルを測定し,32位のみが^<15>N標識されていることを確認した.
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