Project/Area Number |
08261215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小松 則夫 自治医科大学, 医学部, 講師 (50186798)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 赤血球分化 / 巨核球分化 / TPO / EPO / UT-7 / シグナル伝達 / STAT / 細胞周期 |
Research Abstract |
赤芽球系細胞と巨核球系細胞は分化の過程において他系統よりきわめて近い関係にあると思われるので、本研究では特に赤芽球と巨核球分化に注目し、その分化決定のメカニズムについて検討した。(1)巨核球の分化に関与するTPOレセプター機能ドメインの同定:巨核球分化に関与するTPO受容体の機能ドメインを同定することは巨核球への分化決定のメカニズムを解明するうえで重要である。UT-7/EPO細胞株にTPO受容体をコードするc-mplcDNAを遺伝子導入して作製したトランスフェクタントはTPOによって成熟巨核球への分化するので、この系を用いてc-mpl deletion mutantを作製し、c-mplの分化に関与する機能ドメインを同定した(JBC印刷中)。(2)赤芽球分化とシグナル伝達分子:本研究で用いたUT-7/GM細胞株はGM-CSFで未分化のまま長期維持され、GM-CSFのかわりにEPOを添加すると一週間で殆どの細胞がヘモグロビン陽性の赤芽球へ分化する。しかもこの赤血球分化はGM-CSF存在下で完全に阻止されるので、赤血球分化のon/off switchをGM-CSFやEPOによって制御できる(Blood印刷中)。しかもGM-CSFやEPOは生理的な因子なので、この実験系はより正常に近いモデルと考えられる。この実験系を用いてわかったことは、(a)UT-7/GMをGM-CSFで刺激するとSTAT1α、STAT3、STAT5が誘導されるが、EPOで刺激するとSTAT5のみが誘導され、STAT1αとSTAT3は誘導されない。しかし同時にGM-CSFを添加し、赤芽球分化を阻止するとSTAT1αとSTAT3が誘導されるようになる。(b)EPO添加によりG1期が延長し、GM-CSF添加によりこのG1期延長が解除される。このことはG1期延長が赤芽球分化の引き金になるとするCarrollらの説を支持するものである。(c)UT-7/GM細胞にSTAT1αあるいはSTAT3cDNAを遺伝子導入し、強制発現させると、EPOによる赤血球分化は、有意に阻止される。STAT1αとSTAT3の両方を同時に発現させると、この分化抑制効果はさらに増強した。以上のことからシグナル伝達分子と赤血球分化機構との接点を見出すことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)