Project/Area Number |
08261217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
吉村 昭彦 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (90182815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 素秋 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10211799)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | サイトカイン / JAK / STAT / チロシンキナーゼ / 転写因子 / SH2ドメイン / りん酸化 / 情報伝達 |
Research Abstract |
我々はエリスロポエチン(PEO)受容体が赤芽球系の分化シグナルを発生できるのか調べるために、EPOに応答して分化する赤芽球系細胞ELM-1にキメラ分子(細胞外EGF受容体、細胞内EPO受容体)を導入した。この細胞はEPOに応答してヘモグロビンの合成が開始し赤味を帯びる。キメラ分子を導入しない細胞ではEGFはヘモグロビン合成に影響しないのに対し、導入した細胞ではEPOのみならずEGFに応答してヘモグロビン合成を促進した。この結果はEPO受容体の細胞内ドメインに分化誘導を行う機能が存在し2量体化によって分化のシグナルが発生することを示している。次にEPO受容体の細胞内ドメインに欠失やチロシン→フェニルアラニンの変異を導入した結果、Y343あるいはY401いずれか一方があれば十分分化しうることがわかった。この2つのチロシン残基はSTAT5の活性化に重要であり、確かにSTAT5の活性化と分化は強く関連していた。次にSTAT5の標的遺伝子であるCISについてEPO受容体との相互作用について調べた。CISは約260のアミノ酸よりなる蛋白質で中央にSH2ドメイン、その両側に80個のアミノ酸からなる機能が未知のドメインを有する新規の遺伝子である。CISはSH2ドメインを介してチロシンりん酸化されたIL3受容体やEPO受容体と会合することを明かにした。C末端を削ったEPO受容体との結合を調べたところ結合は細胞膜付近のチロシン(Y)343およびY401を含む領域でおこることがわかった。この領域はSTAT5の会合する領域と一致する。したがってCISは受容体のりん酸化チロシンをマスクし、STAT5の会合を阻害する効果が考えられる。実際CISの過剰発現はEPO受容体によるSTAT5の活性化を阻害した。CISはSTAT5によって誘導されSTAT5の活性化を阻害することから一種の負のフィードバック調節因子と考えられた。
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