Project/Area Number |
08264209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 孝之 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10166671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 茂隆 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50134614)
中畑 龍俊 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20110744)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | Fanconi貧血 / FAC / 細胞周期 / cdc2 |
Research Abstract |
Fanconi anemia(FA)は、主に小児期に発症する再生不良性貧血、先天性奇形、急性骨髄性白血病をはじめとする悪性腫瘍の高率の合併を特徴とする常染色体性劣性の遺伝疾患である。患者由来の細胞は正常細胞に比べて、低濃度のDNA架橋剤により染色体不安定性や細胞周期のG2期の延長を示すという特徴を持つ。FAは遺伝的に少なくとも5つのタイプに分けられ(A-E)、このうちタイプCの遺伝子FACが1992年にクローニングされた。FACは他の遺伝子と相同性を持たず、その産物の機能は不明である。欧米においてはタイプCの頻度は約12%とされ、変異は数種類あることが報告されているが、日本人FA患者におけるFAC異常の頻度や種類はまだ不明である。そこで、私共はFACの機能の解明と日本人FA患者におけるFAC遺伝子解析を目的として研究を行っており、本年度は以下の成果を得た。(1)FACの機能…(i)細胞周期を同調したHeLa細胞において、FACの発現量はG2期に最大となり、M期に減少した。(ii)アミノ酸置換(L554P)により機能を失ったFACを持つ細胞株HSC536N細胞に正常FAC導入すると低濃度のマイトマイシンC(MMC)によるG2期の延長が抑制された(iii)細胞可溶化液を抗FAC抗体で免疫沈降後に、抗cdc2抗体でウェスタン・ブロットしたところ、FACとcdc2の結合が示された。これらの結果は、FACの機能がG2/M移行と密接に関連していることを示唆する。(2)日本人FA患者におけるFAC遺伝子異常…ゲノムDNAをPCR-SSCP法により解析を行い、15人中7人においてイントロン4の塩基置換(IVS4+4A to T)を見出した。これは、日本人にもFAC異常が稀でないことを示唆する。単一の変異のみ見出されることは興味深いが、さらに多くの症例を解析する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)