Project/Area Number |
08264237
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40152615)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙谷 浩之 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (10204629)
平野 雄 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (40258629)
|
Project Period (FY) |
1996 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥22,500,000 (Direct Cost: ¥22,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
|
Keywords | 8-ヒドロキシグアニン / 2-ヒドロキシアデニン / 5-ヒドロキシシトシン / 5-ホルミルラウラシル / 活性酸素 / グリオキサール |
Research Abstract |
酸化的DNA損傷の変異誘発、修復、発癌との関係について以下の点を明らかにした。 1) 酸化損傷ヌクレオシド2-OH-dA,5-OH-dC,8-OH-dGをヒトリンパ球培養細胞に作用させたところ姉妹染色分体交換(SCE)を引き起こした。これらの酸化的損傷がヌクレオチドプールからDNAに取り込まれ、修復の過程でSCEを引き起こしたと思われる。 2) 8-OH-dGTPおよび2.OH-dATPを大腸菌に導入し染色体lacI遺伝子変異を調べた。2-OH-dATPの方が8-OH-dGTPよりも変異率が高く、前者はGC→TAを、また後者はAT→CG変異を特異的に引き起こした。 3) 5-formyl-dUTPおよび5-OH-dCTPを大腸菌に導入し染色体lacI遺伝子変異スペクトルを調べた。5-formyl-dUTPはGC→AT,AT→GC,GC→TA変異を、また5-OH-dCTPはGC→AT,AT→CG,GC→TA変異を引き起こした。これまでの結果を総合すると変異率は 2-OH-dATP>5-OH-dCTP>8-OH-dGTP>5-formyl-dUTPの順となった。 4) DNA中の2-OH-Adeの修復機構を調べた2-OH-Adeの相手鎖にCまたはTを含む2本鎖DNAに対しラット臓器粗抽出物は修復活性を示さなかった。また8-OH-Gua修復とは異なり、酸化ストレスを誘発する発癌物質Fe-NTA処理によっても2-OH-Ade修復活性の誘導は見られなかった。 5) ヒト肺非癌部組織DNA中の8-OH-dG値を肺癌患者と非肺癌患者間で比較したところ、肺癌患者で有意に高かった。この結果は環境因子あるいは遺伝的な要因で酸化ストレスの高い人、修復活性の低い人が肺癌にかかりやすい可能性を示唆している。
|