Project/Area Number |
08264240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
土屋 永寿 埼玉県立がんセンター, 研究所, 主幹 (00072314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 一典 埼玉県立がんセンター, 病理部, 医員 (60280624)
林 慎一 埼玉県立がんセンター, 研究所, 主任研究員 (60144862)
林 盛昭 埼玉県立がんセンター, 研究所, 主任研究員 (90142116)
得地 令郎 埼玉県立がんセンター, 研究所, 研究員 (00300905)
出雲 俊之 埼玉県立がんセンター, 病院・病理部, 医員
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Project Period (FY) |
1996 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥22,500,000 (Direct Cost: ¥22,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
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Keywords | 肺癌 / 腺癌 / HIC-1 / エストロゲンレセプター / p73 / p53遺伝子 / LOH / HTC-1遺伝子 / 分化度 / 癌抑制遺伝子 / 17番染色体 / マイクロサテライトマーカー / YNZ22 |
Research Abstract |
肺癌の個性を明らかにし予防と治療に役立たせる為、以下の4項目につき検討した。 1) 発癌原因のことなる2つの腺癌亜型間で生物学的特性に差があるか否かを検討した結果、喫煙が原因で発生するcolumnar type(col)と、自然突然変異が原因と考えられるhobnail type(hob)では、前者の方が増殖速度が早く、予後も悪い傾向が得られた。 2) 腺癌の発生・進展に関与する内因の一つとしてエストロゲンレセプタ(ERa)に着目し、腺癌の細胞亜型とERの発現の有無、強弱との関係を検討した結果、ERaのmRNA発現は扁平上皮癌で低下し、腺癌で増加していた。腺癌の亜型では、プロモーターの使い分けが異なり、hobは乳癌に似たパターンを示し、colはそれとは異なっていた。 3〉 17番染色体短腕上に存在するHIC-1遺伝子発現抑制が肺癌の予後に関連があるか否か、及び同遺伝子の抑制の原因を検討した結果、腫瘍でのHIC-1遺伝子mRNAの発現が正常肺組織の半分以下に抑制された症例は、術後生存期間が有意に短かかった。HIC-1DNAのメチル化とmRNAの発現量との相関は認めなかった。 4) 1997年に単離・同定されたp73遺伝子はp53と蛋白レベルで相同性が高く機能的にも類似している。肺癌組織型別(腺癌では亜型別)の臨床病理学的特徴とP73遺伝子異常との関連を検討した結果、p73遺伝子のmRNA発現量は、95%の症例において肺癌部で亢進し、特に扁平上皮癌や高齢者の腫瘍で高かった。しかし、p53遺伝子変異の有無とは相関がなかった。 以上より、肺腺癌は発癌原因の異なる亜型により遺伝子発現や生物学的特性が異なること、HIC-1遺伝子発現抑制は予後と関連すること、肺癌の発生・増悪にp73発現増加が関与する可能性、などが明らかとなった。
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