Project/Area Number |
08265104
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井出 利憲 広島大学, 医学部, 教授 (60012746)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清宮 啓之 癌研究所, 化学療法センター, 研究員 (50280623)
檜山 佳子 (檜山 桂子) 広島大学, 医学部, 助手 (60253069)
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60245876)
清水 素行 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (80130756)
石川 冬木 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (30184493)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥90,500,000 (Direct Cost: ¥90,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥25,000,000 (Direct Cost: ¥25,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥29,000,000 (Direct Cost: ¥29,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥29,000,000 (Direct Cost: ¥29,000,000)
|
Keywords | テロメア維持機構 / 染色体外テロメア断片DNA / テロメラーゼ / 不死化 / 癌診断 / テロメア / hTERT / 癌診断法 / 制癌剤 / TRAP / HPA法 / テロメラーゼ遺伝子 / テロメラーゼ複合体 / 診断マーカー / 癌早期診断 / 細胞不死化 |
Research Abstract |
テロメラーゼ非依存的テロメア維持機構は、テロメア維持機構の理解のために重要であるばかりでなく、ヒト癌の一部に見られることや、テロメラーゼ活性を持つ癌細胞をテロメラーゼ阻害剤で処理した時に耐性細胞として出現するなど、制癌の面でも重要である。本機構を有する細胞は、異常に長いテロメア末端(23kbp以上)を持つことが特長とされてきたが、実は2-4kbpと短く、これが染色体外テロメア断片DNA(ECTR-DNA)と大きな複合体を形成していることがわかった。細胞内では、このような複合体形成によって、DNAポリメラーゼによるテロメア延長が起きるものと推定された。ヒト線維芽細胞は、テロメラーゼ遺伝子導入だけでは不死化できず、不死化にはSV40のT抗原遺伝子の働きも必要であることがわかったが、必要とされる機能はT抗原機能の全部ではなく、T抗原機能のごく一部かあるいはt抗原機能で代行されものと推定するまでに限局された。これに対して、ヒト血管内皮細胞ではテロメラーゼ遺伝子導入だけで不死化する可能性が有ることがわかった。テロメア・テロメラーゼの高感度・定量的・簡便な測定法を改良し、肝組織において前癌組織の半数に、慢性肝疾患を含む非癌部より明らかに高い活性を認め、患者に対する対処への指針の一つになると考えられた。肝組織のテロメアは、年齢とともに、年1回程度の細胞分裂に相当する短縮を示した。慢性肝炎、肝硬変では年齢によらずテロメアは短く、中には分裂限界に近いサイズを示すケースも見られることなどが、初めて示された。このように、本研究の目標としたすべてについて大きな進展があり、テロメア・テロメラーゼと細胞の分裂寿命・不死化、癌の発生・進展に関する基礎的研究と、診断・治療に結び付ける応用的研究の両面にわたって、大きく寄与することができた。
|