Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
|
Research Abstract |
Bリンパ球の発現するカルシウム(Ca^<2+>)透過性チャネルCD20を線維芽細胞に発現させると,インスリン様成長因子(IGF-I)により惹起させる細胞周期のG1期のプログレッションが加速すること,IGF-IがCD20チャネルを活性化することなどをこれまで明らかにしてきた。今回,IGF-IがCD20チャネルを活性化する機構,とくにG蛋白の関与を検討した。その結果,IGF-I受容体によるCD20チャネル活性化には細胞質にGTPだけでなく,ATPが必要であることが明らかになった。またこのATPは非水解性のアナログAMP-PNPによって代替え可能であった。CD20チャネルは細胞内のGTP-γSによって活性化され,この作用にはATPは必要でなかった。したがってATPはGTP-γSによりG蛋白が直接活性化される際には不要であり,受容体によるG蛋白活性化の過程で必要であろうと思われた。excised modeのパッチクランプ法によるCD20チャネルの活性はG_<i2>蛋白のαサブユニットにより活性化されること,G_<i3>蛋白のαサブユニットは弱いながらも活性化作用をもつが,G_<i1>のαサブユニットやβγサブユニットには活性化作用がないことが明らかになった。さらにIGF-IによるCD20チャネル活性化は抗α_<i2>抗体を投与することにより抑制されたことから,IGF-I受容体が活性化されるとG_<i2>蛋白が活性化され,そのαサブユニットによりCD20チャネルが活性化されることが明らかとなった。
|