がんの発生と進展におけるミッドカイン作用機構の解明
Project/Area Number |
08265226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門松 健治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80204519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 喬 名古屋大学, 医学部, 教授 (00030891)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | がん発生 / がん進展 / ミッドカイン / アクチビン / ヘパリン / 成長因子 / 形質転換 |
Research Abstract |
1.がん発生とミッドカイン(MK):MKはNIH3T3細胞を形質転換した。この際の特徴として、細胞の基質からの易遊離性および核周囲へのMKの集積があった。また、ヒト大腸癌前癌部でのMKの発現を組織および蛋白レベルで確認した。 2.がん進展とMK:高感度の酵素免疫測定法により血清中MKが肝がん患者で健常人に比べて有意に高値であることが明らかになった。一方、変異型MK(第3エクソンが欠失し、蛋白レベルでN末側の約半分が欠失したもの)がヒトがん組織で特異的に発現することを見い出した。さらにこれは消化器がんにおいてリンパ節転移巣で有意に高頻度に発現していた。 3.MKとアクチビンの相互作用:アクチビンによるアフリカツメガエルの中胚葉誘導をMKが強く阻害した。しかもこれはMK、アクチビン各々の細胞内シグナル相互作用によるものであった。現在までに集積してきたデータと合わせると、MKが、TGF-βスーパーファミリーのいくつかのメンバーと相互作用するシグナル伝達系を持つ可能性がでてきた。 がん発生におけるMKの立場は、NIH3T3細胞の形質転換能とヒト大腸癌前癌部での発現から、生物学的に意味のあるものになったと思われる。一方今年度の大きな収穫の一つとして、変異型MKの発現頻度と病期(リンパ節転移)の相関の発見が挙げられる。今後他の組織型での発現の解析、変異型MKそのものの機能解析を進める。 MKの作用機構を解析する手がかりとして、アクチビンとの相互作用の発見は大きな進歩となった。TGF-βスーパーファミリーのメンバーとMKが相反する作用を示す例はこの他に、血管内皮線溶系におけるTGF-βとMK、歯芽発生におけるBMP-2とMKの例を挙げることが出来る。TGF-βスーパーファミリーではメンバーの中で、シグナル伝達の特異性と重複性が示されており、MKのシグナル伝達がその一部と相互作用する可能性がでてきた。今後、この点を眼目にMKのシグナル伝達の解析を進め、受容体の同定へ進展させたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)