癌転移・浸潤における外因系止血機構、特に組織因子とそのインヒビターの役割
Project/Area Number |
08265228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
和田 英夫 三重大学, 医学部, 助手 (40158704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 啓志 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (00209967)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | TF / TFPI / TM / 白血病 / 悪性リンパ腫 / 食道癌 / 大腸癌 / stage |
Research Abstract |
担癌患者では過凝固状態にあり、悪性リンパ腫ではstageの進行に伴い過凝固状態は増強した。担癌患者の血中組織因子(TF)値は有意に増加し、過凝固状態の原因の1つに癌細胞が産生するTFが考えられた。大腸癌患者の血中TFはstageの進行に伴い増加したが、TF経路インヒビター(TFPI)は有意な変動を示さなかった。白血病細胞中のTFは活性・抗原とも増加し、骨髄性白血病、特に急性前骨髄球性白血病細胞ではTFの増加は著明であった。悪性リンパ腫の組織染色では、通常のT cellリンパ腫ではTF陰性であったが、鼻のリンパ腫(NK cell type)は著明にTFが染まった。この原因としては、鼻のリンパ腫(NK cell type)が大量にTNFやGM-CSFなどのサイトカインを産生するため、その結果として間質細胞のTF産生が亢進することが考えられた。また、TFPI染色は陰性であった。固型癌の組織染色では、食道癌の全例ならびに多くの胃癌でTFが陽性であった。食道癌では癌細胞と正常組織がTFの組織染色で明確に区別できた。大腸癌のstage IではTFの陽性率は低いが、stage III以上ではTFの陽性率は有意に増加し、大腸癌ではstageの進行に伴いTFの産生が増加すると考えられた。一方、TFPIは分泌型蛋白のためすべての癌組織で染色されなかった。トロンボモジュリン(TM)はstageの進行したTF陽性例で発現が認められた。以上、癌の増殖・進展・転移などに外因性止血機構、特にTFが関与している可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)